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AWSのNitroに対抗、Ciscoの「スピンイン」チームが「クラウドアーキテクチャを民主化する」高速化システムを開発Oracle CloudやEquinixも採用?

Cisco Systemsの「Cisco Nexusシリーズ」や「Cisco ACI」を生み出してきた4人によるスタートアップ企業、Pensando Systemsがステルスモードを脱し、自社の事業の内容を明らかにした。Amazon Web ServicesのNitroに対抗するチップおよびソフトウェアを開発し、既に顧客を獲得しているという。

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 Cisco Systemsの「Cisco Nexusシリーズ」や「Cisco ACI」を生み出してきた4人によるスタートアップ企業、Pensando Systemsがステルスモードを脱し、自社の事業の内容を明らかにした。Amazon Web Services(AWS)のNitroに対抗するチップおよびソフトウェアを開発し、既に顧客を獲得しているという。

 Pensansoは2017年に、マリオ・マッゾーラ(Mario Mazzola)氏、ルカ・カフィエロ(Luca Cafiero)氏、ソニ・ジアンダーニ(Soni Jiandani)氏、ランディ・ポンド(Randy Pond)氏が設立したという。

 この4人はNuova SystemsやInsieme Networksを設立、データセンタースイッチのNexusシリーズやデータセンターSDNのCisco ACIを開発してきた実績がある。4人はCiscoを抜けて新会社を設立、新技術を開発して事業化の目途をつけてから製品・技術と共にCiscoに買収されて戻るというプロセスを繰り返してきた。これが「スピンアウト」とは逆に「スピンイン」と呼ばれている。

 ただし、Pensandoが将来的にCiscoに買収されるのかについては、明言していない。同社は今回、Hewlett Packard Enterprise(HPE)とLightspeed Venture Partnersが率いたシリーズCの資金調達で、最大1億4500ドルを獲得することを明らかにした。これにより、調達資金の合計は、2億7800万ドルに達した。なお、会長には元CiscoのCEOで現在は同社名誉会長のジョン・チェンバース氏が就任している。

クラウド化、ソフトウェアディファンド化の課題に挑戦

 Pensandoは何を開発しているのか。同社は「クラウドアーキテクチャを民主化する」と主張している。具体的にはAWSのNitro Systemsに対抗するチップおよびソフトウェアを開発したという。すなわち、サーバに搭載して、仮想化、ストレージ、ネットワーク、セキュリティなどの処理をCPUからオフロードできる技術で、「ソフトウェアデファインド」への流れが進むITインフラにおけるパフォーマンスやモニタリング、セキュリティなどの新たな課題に対応することを狙っている。

 Pensandoのホームページに掲載されているCNBCのインタビュービデオで、チェンバース氏は「Amazonに比べ、5〜10倍のパフォーマンスだ」と話している。また、同じビデオでジアンダーニ氏は、NitroとPensandoをApple とAndroidに例え、「私たちはAndroid Platformと同様だ。オープンで、あらゆるエコシステムが生かせる。標準的なコンピュートインフラで動作し、クラウド事業者もエンタープライズ企業も活用できる」と述べている。

 HPEは出資者であると共にソリューションパートナーで、同社のサーバにPensandoのシステムを搭載して販売するという。また、Pensandoは、Goldman Sachsを含む複数のFortune 500企業を既に顧客として獲得しているという。Goldman SachsはPensandoのプレスリリースで、「Pensandoにより、当社データセンターのEast-Westトラフィックについて、コンプライアンスと共にセキュリティを確保できる。同時に、テレメトリの向上で、問題解決を時間単位から分単位に短縮できる」とコメントしている。

 また、ジアンダーニ氏によると、Oracle CloudやEquinixが、Pensandoを導入する意向を示しているという。

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