リモートワークに「満足」は「不満」の3倍 リンクライブがリモートワークの実態調査:「無駄な社内外コミュニケーションが減った」
リンクライブが実施した調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにリモートワークを導入した企業の割合は8割。リモートワークの導入に満足している人の割合は、不満を持つ人の3倍以上だった。
リンクライブは2020年4月7日、「第1回 新型コロナウイルス感染拡大に伴うリモートワーク実態調査」の結果を発表した。調査対象は、リモートワークを導入している会社に勤める20歳以上の会社員で、男性102人、女性99人から回答を得た。
同調査によると、リモートワークを実施している企業のうち、新型コロナウイルスの感染が拡大したことをきっかけにリモートワークを導入した企業の割合が8割を占め、リモートワークの導入に満足している人の割合は、不満を持つ人の3倍以上だったことが分かった。
「新型コロナ発生後に導入した企業」が8割
新型コロナウイルス問題の発生前後でのリモートワークの導入状況に関する設問では、発生前にリモートワークを導入していた割合は22.4%。つまり、リモートワークを新型コロナウイルス問題の発生後に導入した割合は8割近くを占める結果となった。新型コロナウイルス問題発生前の実施頻度は、週5日以上実施していた割合は全体の3.0%、週3〜4日は同2.5%、週1〜2日は同5.5%、週1日未満は同11.4%だった。
これに対して発生後の実施頻度を見ると、リモートワークを週3日以上実施している割合が半数近くに及んだ。具体的には、週5日が15.4%、週3〜4日が29.4%、週1〜2日が29.9%、週1日未満が25.4%だった(端数を四捨五入しているため、合計は100.0%にならない)。
リモートワークに対する満足度は高い。リモートワークでの働き方に「非常に満足している」と回答した割合は8.5%、「満足している」は32.8%で、合計で約4割を占める。これに対して「不満である」は10.4%、「非常に不満である」は2.5%で、満足だと回答した割合の3分の1に満たなかった。
不要なコミュニケーションが減った
次にリモートワークの導入によって、これまで無駄だと感じていた社内や社外のコミュニケーションの時間が減ったかどうかを聞いた。その結果、「無駄なコミュニケーションから解放された」と回答した割合が約7割に上った。そうした人たちからは、「人間関係のつまらないしがらみや仕事終わりのお酒の付き合いが減り健康的な社会生活が送れるようになった」「仕事以外のムダなコミュニケーションが減ったので仕事に集中できる。この働き方が自分にとっては効率が一番良くはかどる」「仕事のストレスのほとんどが人間関係と満員の通勤電車によるものだったのだと思う」との声が聞かれた。
リモートワークによって、通勤のストレスから解放された人も多いようだ。「リモートワークによって通勤のストレスから解放されたか」との問いに対して、「非常にそう思う」と回答した割合は50.2%、「そう思う」は27.9%で、合わせて約8割を占めた。「そう思わない」は10.0%、「全くそう思わない」は2.5%だった。
最後に、リモートワークによってプライベートの時間をより確保しやすくなったかどうかを尋ねたところ、64%がリモートワークによってプライベートを充実できたと回答した。それらの人からは、「プライベートの時間と職務時間がきっちりと分別されたので、家族と一緒に夕飯を食べながらコミュニケーションを取れるので非常に良かった。今のところプライベートの時間が思うように確保できて満足」や、「時間を決めれば、プライベートが充実する」との意見が寄せられた。
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