無線通信区間でのNTP同期精度を保つソフトウェアをセイコーソリューションズが開発:プラスマイナス50ミリ秒以内の時刻精度を確保
セイコーソリューションズは、無線通信区間でNTP同期精度を保つソフトウェア「Seiko Smart Time Filter」(仮称)を開発した。実証実験で、10〜50ミリ秒程度の精度でNTP同期精度を保つことが可能であることを確認した。
セイコーソリューションズは2020年9月11日、無線通信区間でNTP(Network Time Protocol)の同期精度を保つソフトウェア「Seiko Smart Time Filter」(仮称)を開発したと発表した。実証実験では10〜50ミリ秒程度の精度でNTP同期精度を保つことができたという。同社は今回の実証実験結果を基に、閉域モバイル網を活用したNTP配信サービスの販売を2020年11月以降に開始する予定だ。
プラスマイナス50ミリ秒以内の時刻精度を確保
NTPは一般的にIT機器の時刻同期に利用される。インターネットを介してパブリックNTPサーバを利用できるが、セキュリティの懸念があれば、社内にNTPサーバを構築することになる。社内にNTPサーバを構築した場合は時刻ソースとなる固定回線やGPSアンテナの敷設が必要になるが、システムの構築期間が長くなり、導入コストが高くなるという課題があった。
セイコーソリューションズは「通信に閉域モバイル網を利用すれば、セキュリティを確保しつつ、固定回線の設置やGPSアンテナの敷設がいらなくなる。Seiko Smart Time Filterは、こうした無線通信区間で、同期精度を保ったNTP配信を可能にする」としている。
実証実験では、同期開始直後から安定した精度での時刻配信が可能で、プラスマイナス50ミリ秒以内の時刻精度を確保できたという。2020年8月26〜28日に那覇市で開催された「JANOG46 Meeting」の会場で実施したデモでも「会期を通じてプラスマイナス10ミリ秒程度の精度に収まっていることを確認した」としている。
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