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【超番外編】ラズパイ+Chromium OSでリモデス&Google Meet端末をこしらえてみる中古PC活用(2/2 ページ)

教育目的として開発された比較的安価なワンボードコンピュータ「Raspberry Pi」は性能が着々と向上し、用途によってはPCの代わりとしても利用可能なほどになっている。そこで、Raspberry Piに、Chromium OSをインストールして、Chromeリモートデスクトップクライアントにする方法を紹介しよう。

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Chromium OSを実行する

 MicroSDカードをラズパイに差し、ラズパイの電源を入れれば、Chromium OSの初期設定が開始される。

Chromium OSの初期設定をする

 ここからは、Windows PCにChromium OSをインストールする場合と同様の手順で言語やキーボード、無線LANの設定などを行う。Chromeリモートデスクトップを利用するのであれば、アカウントは接続先となるPCのGoogle Chromeにログインしているのと同じものを設定しておくと、接続前にGoogleアカウントを変更しなくて済む。

Chromium OSを実行する(1)
Chromium OSを実行する(1)
ラズパイにMicroSDカードを差し、電源を入れると、Chromium OSが起動し、初期設定画面が表示される。デフォルトでは言語が「English(United States)」なので、日本語に変更する。左下の[English(United States)]をクリックする。
Chromium OSを実行する(2)
Chromium OSを実行する(2)
[Choose your language & keyboard]画面に変わるので、ここの「Language」のプルダウンリストから[日本語]を選択する。すると画面上の表記が日本語に変わる。
Chromium OSを実行する(3)
Chromium OSを実行する(3)
「キーボード」のプルダウンリストで[日本語]を選択する。[OK]ボタンをクリックすると、最初の画面に戻る。
Chromium OSを実行する(4)
Chromium OSを実行する(4)
[続行]ボタンをクリックする。
Chromium OSを実行する(5)
Chromium OSを実行する(5)
無線LANのアクセスポイントを選択して、パスコードを入力する(有線LANの場合は、ここで接続を確認する)。
Chromium OSを実行する(6)
Chromium OSを実行する(6)
ここでGoogleアカウントを入力して、次の画面でパスワードを入力する。これで初期設定は完了する。

 Windows PCのGoogle Chromeの同期設定に従って、拡張機能やブックマークなどが自動的に設定される。

時刻を設定する

 ただし、時刻はなかなか同期されないようなので、画面右下の時刻部分をクリック(または[Alt]+[Ctrl]+[S]キー)して、表示されたウィンドウの[歯車(設定)]アイコンをクリックする。[設定]画面が表示されるので、左ペインの[詳細設定]−[時刻]を選択し、右ペインの[タイムゾーン]をクリックする。「リストから選択」のプルダウンリストから[日本標準時]を選択すればよい。

時刻を設定する(1)
時刻を設定する(1)
画面右下の時刻部分をクリックして、表示されたウィンドウの右上にある歯車を模したアイコンをクリックする。
時刻を設定する(2)
時刻を設定する(2)
[設定]画面が開くので、左ペインの[詳細]をクリックして、表示された[日時]を選択する。右ペインで[タイムゾーン]をクリックする。
時刻を設定する(3)
時刻を設定する(3)
「リストから選択」をクリックする。これで時刻の同期が行われることもある。その場合は、再び「自動的に設定する」を再び選択しておけばよい。
時刻を設定する(4)
時刻を設定する(4)
プルダウンリストを開き、[日本標準時]を選択する。

Chromeリモートデスクトップを使う

 Chromium OSが起動したら、WebブラウザのChromiumを起動し、アドレスバーに「remotedesktop.google.com」を入力する。Windows PCでGoogle Chromeを使ってChromeリモートデスクトップを使う場合と同様、「chromeリモートデスクトップ」ページが開くので、画面中央の[使ってみる]ボタンをクリックする。

 Chromeリモートデスクトップで接続可能なPC名の一覧が表示されるので、接続先のPC名をクリックして、パスコードを入力すればよい。Webブラウザのブラウザペインに接続先PCのデスクトップ画面が表示される。Chromeリモートデスクトップの使い方の詳細は、Google Chrome完全ガイド「外出先からPCをWebブラウザで遠隔操作、『Chromeリモートデスクトップ』入門」を参照してほしい。

Chromeリモートデスクトップを使う(1)
Chromeリモートデスクトップを使う(1)
WebブラウザのChromiumを起動し、アドレスバーに「remotedesktop.google.com」と入力する。「Chromeリモートデスクトップ」ページが開くので、画面をスクロールして、[使ってみる]ボタンをクリックする。
Chromeリモートデスクトップを使う(2)
Chromeリモートデスクトップを使う(2)
初期設定で設定したGoogleアカウントで接続可能なPC名の一覧が表示されるので、接続したいPC名をクリックする。
Chromeリモートデスクトップを使う(3)
Chromeリモートデスクトップを使う(3)
選択したPCに設定されているPINを入力する。
Chromeリモートデスクトップを使う(4)
Chromeリモートデスクトップを使う(4)
ブラウザペインに接続先PCのデスクトップが表示される。ブラウザペインを全画面にして、画面全体に接続先PCのデスクトップが表示されるようにすることも可能だ。

 このあたりの使い勝手は、Windows PCでもラズパイでも変わりがない。

Google MeetでWeb会議をしてみる

 リモートワークの環境構築では、Web会議(オンライン会議)が利用できることも重要だ。Chromium OSを実行したラズパイでWeb会議が可能かどうか、Google Meetを使って試してみた。

 ラズパイ自体はWebカメラを搭載していないので、Windows PC向けのUSB接続のWebカメラを接続して、映像が表示できるか確認した。手元にあった、ロジクールの「StreamCam C980」とAmazonで購入した「eMeet C980 Pro」の2モデルでは、映像とマイクともに問題なく利用できた。

 一方、ラズパイ用のカメラモジュールは、Google Meet上でカメラの機種名が表示されるものの、Chromium OSが対応していないためか映像は表示されなかった(デバイスドライバが別途必要と思われるが、提供されていないようだ)。

 ラズパイ+Chromium OSでWeb会議の利用を検討している場合は、USB接続のWebカメラを利用するのがいいだろう。

Google MeetでWeb会議を実行してみる
Google MeetでWeb会議を実行してみる
Google MeetによるWeb会議に参加してみた。上側がラズパイ、下側が別のPCからGoogle Meetに参加している。USB接続のWebカメラを使えば、このようにWeb会議を行うことも可能だ。


 Raspberry Pi 4 Model BでChromium OSを実行した結果、意外と普通に使えるというのが正直な感想だ。使い込んだわけではないので、不具合や互換性の問題などが生じる可能性も否定できないが、古いWindows PCにChromium OSをインストールした場合と同程度には利用できると思う。

 FydeOSは、Androidアプリの実行が可能になっているので、将来的にはChromium OS build for Raspberry Piでも対応してくれることに期待したい。

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