さよならPHP、WindowsでのPHPのサポートが「2022年11月28日」に完全終了:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(132)
「PHP」は、古くから人気のあるWebアプリのためのスクリプト言語です。当初はLinux上のApache Webサーバと組み合わせて利用されることが多かったものの、Windowsの「IIS」でも古くからサポートされていました。2020年11月26日に最新バージョン「PHP 8.0」がリリースされましたが、Microsoftはこのバージョンをサポートする予定はありません。
IISとPHPの長い付き合い
「PHP」は、古くからWindowsの「インターネットインフォメーションサービス(IIS)」をWebサーバのプラットフォームとして正式にサポートしてきました。それは、2007年3月にZend TechnologiesがMicrosoftとの技術提携の成果として「FastCGI for IIS」(Zend Core 2.0)を提供したのが始まりです。
FastCGI for IISは、IIS 5.0(「Windows 2000 Server」に搭載)以降のWindowsプラットフォームを正式にサポートし、IIS 7.0(「Windows Server 2009」に搭載)からはFastCGIモジュールが標準搭載されるようになりました。
PHPは「Azure App Service」で正式にサポートされているランタイムスタックの一つです。Azure App Serviceでは、公式サポート(Official Support)および拡張サポート(Extended Support)が提供されているPHPのバージョンを、LinuxおよびWindowsのそれぞれについて同様に正式サポートしています(画面1)。
マイナーバージョンについては、拡張サポートが終了すると、SLA(Service Level Agreement)を維持しながら自動的に後継バージョンに移行してくれます。互換性問題を回避するためには、自動的な移行が実施される前に、テストして手動で後継バージョンに切り替えることをお勧めします(画面2)。
MicrosoftはWindows版PHP 8.0をサポートしない
現在は、WindowsおよびLinux版のPHP 7.2/7.3/7.4が正式にサポートされており、2021年1月時点で新規デプロイできるのはこれらのバージョンに限られます。直近では、「2021年2月1日」にPHP 5.6およびPHP 7.2の拡張サポートが終了します(表1)。
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