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「変化の達人」が未来をけん引 アクセンチュアが「テクノロジービジョン2021」を発表未来に向かうための「5つの技術トレンド」を定義

アクセンチュアは、世界の技術トレンドに関する調査レポート「Accenture Technology Vision 2021」を発表した。同社は、技術を駆使して変化を巧みに取り入れる企業が未来をけん引すると予測する。

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 アクセンチュアは2021年2月26日、世界の技術トレンドに関する調査レポート「Accenture Technology Vision 2021」(テクノロジービジョン2021)を発表した。アクセンチュアは「企業が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対処する段階からビジネスを再創造する段階へと進む中、技術を駆使して変化を巧みに取り入れる企業が未来をけん引する」と予測している。

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アクセンチュアのWebページから引用

 テクノロジービジョン2021は、今後3年間でビジネスや業界に大きな影響をもたらす重要な技術トレンドを予測した年次レポート。調査の対象は企業や組織の上級役職者またはIT担当役員で、全世界で6200人以上から回答を得た。

 「2021年は緊急性に迫られて技術革新に向けた行動を起こしている」と回答した割合は92%、そして「今後市場を獲得していくには、自らが市場の在り方を定義することが不可欠だ」と回答した割合は91%に上った。

「変化の達人」になるための「5つの技術トレンド」

 アクセンチュアは、企業が未来を形作る上で変化を巧みに取り入れる「変化の達人」となるには、次の3点が必要だと指摘する。

 「1つ目は、技術分野をけん引する『テクノロジーリーダーシップ』を推進すること。2つ目は、ニューノーマル(新常態)の定着を待つのではなく、従来と根本的に異なる考え方やモデルを用いて自らそれを作り上げること。3つ目は、地球社会の市民として幅広い責任を果たしながら、技術を駆使して企業の垣根を超えて価値をもたらし、より持続可能で受容性に富んだ世界を作り上げることだ」

 テクノロジービジョン2021はこの3点を踏まえ、今後3年間で押さえるべき5つの技術トレンドを定義している。

テクノロジーの戦略的集積

 技術の戦略的集積について、今回の調査で「自社のビジネス価値の提供能力は、今後より一層、自社が持つ技術アーキテクチャの能力に左右される」と回答した割合は89%を占めた。アクセンチュアは、競争力の高い技術を集積し活用するためには、技術に関する考え方を変え、ビジネス戦略と技術戦略を融合させることが不可欠だとしている。

ミラーワールド

 ミラーワールドとは、現実空間と同じ世界を、データやインテリジェンスを組み合わせてデジタル空間に構築することを意味する。すなわち、工場やサプライチェーン、製品ライフサイクルなどでデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することだ。今回の調査で「今後3年間でインテリジェント化されたデジタルツインへの投資を増やすだろう」と回答した割合は65%だった。

一人一人がテクノロジスト

 あらゆる事業部門の従業員が、テクノロジーがもたらす強力な機能を利用できるようになった今、企業のイノベーション戦略において従業員一人一人の取り組みが重要になる。今回の調査で「全社的なイノベーション推進にはテクノロジーの民主化が不可欠だ」と回答した割合は88%だった。

あらゆる場所が仕事場に

 COVID-19の感染拡大前のトレンドだったBYOD(Bring Your Own Device:私物端末の業務利用)から、BYOE(Bring Your Own Environment:自社環境の持ち歩き)への転換が始まっている。今や自社環境の持ち歩きが可能になり、どこでも仕事ができる環境が手に入った。今回の調査で「業界をけん引する企業は、BYODからBYOEという労働環境に転換し始めるだろう」と回答した割合は81%だった。

「個」から「全体」へ

 業界を横断したデータ活用を可能とする「マルチパーティシステム」を構築することで、レジリエンス(危機からの回復力)や適応力の向上、市場開拓手法の拡大を進めることができる。今回の調査で「マルチパーティシステムを構築することで、パートナーとの新たな価値創出に向けて、よりレジリエンスや適応力に優れたエコシステムの形成が可能になる」と回答した割合は90%だった。

 アクセンチュアのテクノロジー担当グループ・チーフ・エグゼクティブ兼最高技術責任者を務めるPaul Daugherty氏は、次のように述べている。

 「COVID-19の世界的な感染拡大によって、未来に向かうスピードが急激に速まった。多くの企業がビジネスやコミュニティーの運営を維持するために、前例にとらわれることなく、これまで不可能だと考えられていたスピードで技術の活用に取り組んでいる。企業は、指数関数的な速さで進化を遂げる技術の力を取り入れることで、ビジネスや人々の体験の在り方を根底から再創造できる」

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