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「Visual Studio Code」の「March 2021」リリース(バージョン1.55)が公開Raspberry Pi対応もうたう

Microsoftはクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「March 2021」リリース(バージョン1.55)を公開した。ワークベンチやデバッグ、統合ターミナル、ノートブックなどの機能が強化されている。

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 Microsoftは2021年3月31日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「March 2021」リリース(バージョン1.55)を公開した。

 VS Codeバージョン1.55では、アクセシビリティーやワークベンチ、デバッグ、統合ターミナル、ノートブック、ドキュメントなどの機能が追加、改善されている。

アクセシビリティーの改善

 アクセシビリティー関連では、スクリーンリーダーがマルチカーソルをサポートした。新しいカーソルが追加されたり、セカンダリーカーソルが削除されたりすると、カーソルの行と列の位置をVS Codeが音声で知らせるようになった。

 また、「Say All」コマンドでスクリーンリーダーが一度に読み上げることができる行数の上限が、100行から1000行に引き上げられた。

macOS Big Surに対応したブランドアイコンの更新

 ワークベンチ関連では複数の改善が加えられている。まずmacOS Big Surの新しいビジュアルスタイルに対応して、VS Codeの安定版とInsider版のブランドロゴが更新された。全てのプラットフォーム上で同じロゴを使用した。

 次のアイコンのうち、左から11番目の青いアイコンは安定版を、緑色のアイコンはInsider版を示している。


macOS Big Sur上のブランドアイコン(出典:Microsoft

タブの装飾が既定で有効に

 エディタのタブの装飾が既定で有効になった。タブを装飾するには「workbench.editor.decorations.colors」と「workbench.editor.decorations.badges」設定を使う。


タブをバッジで装飾する設定(出典:Microsoft

キーボードショートカットエディタのカラムのサイズ変更

 キーボードショートカットエディタが、新しいテーブルウィジェットを使用するようにリファクタリングされた。ユーザーはエディタのカラムサイズを変更できるようになった。

ブレークポイントの改善

 デバッグ関連では、大きく2つの改善を加えた。まず、条件とヒット数を編集するためのインラインメニューを設けた。

 このメニューでは関数ブレークポイントの条件とヒット数を編集する。編集フローがより容易になり、より自由に管理できるようになった。


ブレークポイントのインラインメニュー(出典:Microsoft

 次にデータブレークポイントの全てのアクセスタイプをサポートした。VS Codeの一般的なデバッグUIが、デバッグアダプダープロトコルで定義されたデータポイントの全てのアクセスタイプ(値の読み取り、変更、アクセス)を、サポートするようになった。


データブレークポイントのアクセスタイプ(出典:Microsoft

リモート開発拡張機能パックの改良

 拡張機能関連では「Remote Development」拡張機能パックを機能強化した。主な強化点は次の通り。

  • ポートビューでポートをダブルクリックして、そのポートに名前を付けられるようになった
  • ポート検出の既定動作を設定できるようになった
  • コンテナボリュームでのリポジトリのクローニング操作が改善された

 この拡張機能パックの導入により、コンテナやリモートマシン、WSL(Windows Subsystem for Linux)を、全ての機能を備えた開発環境として利用できる。この拡張機能パックには「Remote - SSH」「Remote - Containers」「Remote - WSL」の各拡張機能が含まれる。

ターミナルプロファイル

 統合ターミナル関連では、定義されたプロファイルをターミナルがサポートしたことで、既定以外のシェルを容易に起動できるようになった。これらのプロファイルは、ターミナルのドロップダウンで表示される。


ターミナルプロファイルは、ターミナルプロセスの下、設定項目の上に表示される(出典:Microsoft

 プロファイルを追加する方法として、Microsoftはドロップダウンの「Select Default Profile」コマンドの使用を勧めている。このコマンドでは、既存プロファイルまたは検出された他のシェルに基づいて、プロファイルを作成する。

 このコマンドを選択すると、検出された構成済みプロファイルが一覧表示されて、優先するターミナルシェルを選択できる。

ノートブックで複数セルが選択可能に

 ノートブック関連では、マウス([Shift]キー+[クリック])またはキーボードショートカット([Shift]+[矢印]キー)を使って、複数セルを選択できるようになった。複数セルを選択後、コピーや切り抜き、貼り付け、移動、複製といった操作が可能だ。


ノートブックで複数セルを選択しているところ(出典:Microsoft、クリックで再生)

 複数セルをまとめてドラッグ&ドロップすることもできる。


ノートブックで複数セルを選択してドラッグ&ドロップしているところ(出典:Microsoft、クリックで再生)

 この他、「notebook.diff.ignoreMetadata」や「notebook.diff.ignoreOutputs」設定を使って、ノートブックの差分エディタで出力やメタデータの変更を表示したり、非表示にしたりできるようになった。

 エディタのタイトルツールバーから「Show Metadata Differences」「Show Outputs Differences」コマンドを使って、表示と非表示をトグル操作することもできる。


ノートブックでメタデータや出力の差分を表示したところ(出典:Microsoft、クリックで再生)

ドキュメントにRaspberry Piのトピックが追加

 ドキュメント関連では、VS Codeを「Raspberry Pi」デバイスにインストールする方法が、解説としてドキュメントに追加されている。

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