Always On 可用性グループのクラスタID情報を出力する:SQL Server動的管理ビューレファレンス(13)
「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、Always On 可用性グループにおけるクラスタID情報の出力について解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は、Always On 可用性グループにおけるクラスタID情報を出力する「sys.dm_hadr_name_id_map」について解説します。対応バージョンはSQL Server 2012以降です。
概要
Always On 可用性グループを構築するためには、Windows Serverフェールオーバークラスタリング(WSFC)に参加している必要があります。WSFC内で一意であるためにリソースやグループに関して一意のIDを保持していますが、「sys.dm_hadr_name_id_map」を実行すると、WSFC内で使用されているID情報を確認できます。
出力内容
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
ag_name | nvarchar (256) | 可用性グループの名前 |
ag_id | uniqueidentifier | 可用性グループの一意識別子(GUID) |
ag_resource_id | nvarchar (256) | WSFCクラスタのリソースとしての可用性グループの一意なID |
ag_group_id | nvarchar (256) | 可用性グループの一意なWSFCグループID |
動作例
今回の環境では、2つのノードでAlways On 可用性グループを構築しています(図1)。
「SRV01\SQL01」で「sys.dm_hadr_name_id_map」を実行すると、可用性グループの名前と「a62cac59-86a0-4bec-8d74-cdeefb8f46b1」や「25000946-34e3-4682-ba3b-2426365929ed」といった、WSFC内で使用されているIDが出力されました(図2)。
「ag_resource_id」や「ag_group_id」はWSFC内のIDであるため、「Get-ClusterResource」や「Get-ClusterGroup」といった「PowerShell」のコマンドを実行すると、同一のIDが使用されていることを確認できます(図3)。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 CTP2」をインストールした環境を想定して解説しています。
筆者紹介
椎名 武史(しいな たけし)
日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
伊東 敏章(いとう としあき)
日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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