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過去1年間で約4割が「計画外のシステムダウンを経験」 デルがデータ保護に関する調査結果を発表「もしものときに戻せる自信がない」

デル・テクノロジーズは、世界の企業のIT意思決定者を対象に実施したデータ保護に関する調査「2021 Global Data Protection Index」を発表した。それによると企業は新技術の利用を背景に多くのデータ保護に関する課題に直面しているという。

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 デル・テクノロジーズは2021年9月22日、「2021 Global Data Protection Index」(以下、2021年版GDPI)を発表した。

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デル・テクノロジーズのWebページから引用

 これはアメリカ大陸、APJ(アジア太平洋地域と日本)、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)、中国の企業のIT意思決定者を対象に実施した「データ保護に関する調査」の結果をまとめたもの。

 それによると企業は、ランサムウェアなどの脅威に加え、新しい技術の利用が増えたことでデータ保護に関するさまざまな課題に直面していることが分かった。

企業が管理するデータは5年間で約10倍に

 2021年版GDPIによると、世界の企業が管理している2021年のデータ量は14.6P(ペタ)Bで2016年に比べて10倍以上増加しているという。これは「企業が保護すべきデータが増えている」とも言える。だが、IT意思決定者の多くはデータ保護に懸念を抱えており、「現在自社が使用しているデータ保護の仕組みでは将来のビジネス課題に対応し切れない」と回答した割合は世界で82%、日本は84%だった。

 実際、過去1年間で「データ損失を経験した」と回答した割合は世界と日本で30%を占める。さらに「計画外のシステムダウンを経験した」と回答した割合は世界で45%、日本では40%だった。

データ保護で何が懸念か

 全体の74%が「在宅勤務の増加に伴いサイバー攻撃によるデータ損失の危険性が高まった」と回答しているが、「自社のデータ保護対策は、マルウェアやランサムウェアの脅威に対処するには不十分だ」と考えている割合は世界で62%、日本では68%だった。

 デル・テクノロジーズは「企業のIT意思決定者の多くは、破壊的なサイバー攻撃やデータ損失が発生したときに『自社の全ての基幹業務データを復旧できる自信がない』と考えていた。クラウドネイティブアプリケーションやKubernetesコンテナ、AI、機械学習といった新しい技術に対応したデータ保護ソリューションがないと考えていることがその一因だ」と分析している。

 こうした「データ保護の懸念」を解消するため、複数のベンダーのデータ保護ソリューションを利用している企業はあるが、2021年版GDPIによると、複数のデータ保護ベンダーを使用している企業と単一ベンダーのみを使用している企業を比べると、過去12カ月間のデータ損失コストは、前者の方が4倍近く高くなっていることが分かった。

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