アジャイル開発を外部委託するときの契約事項をまとめた「情報システム・モデル取引・契約書」を改訂 IPA:偽装請負のリスクを低減する
IPAは、アジャイル開発版「情報システム・モデル取引・契約書」を改訂した。厚生労働省の「『労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準』(37号告示)に関する疑義応答集(第3集)」に関する情報を追加した。
情報処理推進機構(IPA)は2021年10月6日、アジャイル開発版「情報システム・モデル取引・契約書」を改訂した。厚生労働省が同年9月21日に公表した「『労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準』(37号告示)に関する疑義応答集(第3集)」に関する情報を追加した。これに伴い、「アジャイル開発外部委託モデル契約(解説付き)」も更新した。
アジャイル開発版情報システム・モデル取引・契約書は、IPAが設置した「モデル取引・契約書見直し検討部会」と「DX対応モデル契約見直し検討WG」で検討された、アジャイル開発を外部委託する際のモデル契約についてまとめたもの。アジャイル開発を外部委託する際の契約条項とその解説、補足資料で構成されている。
発注者の意見が反映されるアジャイル開発は偽装請負になる?
改訂の基になった「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)に関する疑義応答集(第3集)には、アジャイル型開発と契約方式や、管理責任者の選任などに関する疑義応答が記されている。
今回の改訂で情報システム・モデル取引・契約書が取り上げた質疑応答に「アジャイル型開発に『労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準』が適用されるのかどうか」という問いがある。
これは、アジャイル型開発は発注者と受注者の開発関係者が密に連携して開発を進めるため、「発注者と結ぶ契約によっては偽装請負になるのではないか」という問いで、回答としては「発注者と受注者の関係者が対等な関係の下で協働し、受注者側の開発担当者が自律的に判断して開発業務を行っていると認められる場合であれば、偽装請負とは判断されない」とある。
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