近畿大学の研究グループが「開発効率が良くなる検索方針」に関する論文発表:「センスが良い検索」はどう身に付ける?
近畿大学理工学部情報学科の准教授を務める角田雅照氏らの研究グループは、ソフトウェア開発に向けた効率的なインターネットの検索方針に関する論文を発表した。「効率的な検索方針が明らかにできれば生産性を向上させられる」という。
近畿大学理工学部情報学科の准教授を務める角田雅照氏らの研究グループは2021年10月29日、ソフトウェア開発に向けた効率的なインターネットの検索方針について論文を発表した。
論文は電子情報通信学会の論文誌『IEICE Transactions on Information and Systems, Vol.E105-D No.1』で発表しており、論文名は「Analyzing Web Search Strategy of Software Developers to Modify Source Codes」(ソフトウェア開発者のソースコード修正時におけるWeb検索戦略の分析)となる。
方針のあるなしでプログラムの修正速度を比較
角田氏らの研究グループは「ソフトウェア開発で必要となるさまざまな技術の多くはインターネットで公開されており、それらの情報を適切に検索できるかどうかでソフトウェアの開発効率が変わってくる。開発効率を向上させる検索方針が明らかになれば、開発全体の生産力を向上させられるだろう」と述べている。
同研究グループは「修正すべき点のあるプログラム」を用意し、情報科学を専攻する20歳代の大学生10人に「正しい計算になるようにプログラムを修正してほしい。修正の方法はインターネットで検索すること」という課題を出した。その際、検索の方針を定めた場合とそうでない場合で修正にかかる時間を測定した。
同研究グループが示した検索方針は次の3つ。
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