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APIセキュリティについて学習できるオープンソースラボ環境「vAPI」、なぜ必要なのか「OWASP API Security Top 10」に沿ったテストができる

「OWASP API Security Top 10」に含まれるAPIの脆弱性の挙動を観察できるオープンソースツール「vAPI」が登場した。どのように役立つのだろうか。

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 サイバーセキュリティツールベンダーのPortSwiggerは2022年1月17日(米国時間)、「OWASP API Security Top 10」に含まれる脆弱(ぜいじゃく)性の挙動を観察できるように設計されたオープンソースツール「vAPI」(Vulnerable Adversely Programmed Interface)を解説した。

 APIセキュリティは近年、重要なセキュリティ分野となっている。APIは現在、サービスやデータ転送の管理に広く使われており、壊れたエンドポイントが1つあるだけで、データ流出や企業ネットワークの侵害につながる。

 Gartnerは2022年には、API攻撃が企業Webアプリケーションに対する最も一般的な攻撃手法になると予測している。

vAPIでは何ができるのか

 vAPIはセキュリティベンダーのHolm Securityでセキュリティエンジニアを務めるトゥシャー・クルカーニ氏が開発し、GitHubで公開しているツール。

 同氏は、2021年11月に「Black Hat Europe 2021 Arsenal」でvAPIを紹介した際、このプラットフォームは、「新人のペネトレーションテスト担当者にとって、さまざまなAPIのバグの分類に慣れるのに役立つ。開発者にとっては、脆弱なコードの例を調べ、脆弱性の軽減策を検討するために利用できる」と説明した。

 vAPIはAPIセキュリティについて学べるように設計された脆弱性の演習、テストプラットフォームであり、最新のWeb APIを保護する上での課題をセキュリティ専門家に伝えることを目的としている。

 vAPIの技術スタックは、PHPフレームワークの「Laravel」と「MySQL」をベースにしている。Postmanコレクションや環境を使ってAPI呼び出しを保存する。これは最終的にOpenAPIに移行する予定だ。

 テストの際はセルフホステッドAPIとして運用したり、Dockerイメージとして実行したりできる。「Burp Suite」や「ZAP」のようなMITM(Manipulator-in-the-Middle)プロキシを使用できる。

OWASP API Security Top 10とは?

 vAPIは、OWASP API Security Top 10で使用されているAPI分類に基づいてテストできる。

 OWASP API Security Top 10は、Webアプリケーションセキュリティなどの改善活動を行う非営利団体「The Open Web Application Security Project」(OWASP)が、セキュリティインシデントの最も一般的なAPI関連の原因のトップ10を選定し、解説したドキュメントだ。

 OWASPは、APIセキュリティの重要性の高まりを受け、2019年に初のAPI Security Top 10を公開している。内訳は次の通り。

API1:2019 オブジェクトレベルの認証の不備

API2:2019 ユーザー認証の不備

API3:2019 過度なデータ公開

API4:2019 リソースの不足とレートの制限

API5:2019 機能レベルの認可の不備

API6:2019 大量の割り当て

API7:2019 セキュリティ設定のミス

API8:2019 インジェクション

API9:2019 不適切な資産管理

API10:2019 不十分なロギングとモニタリング

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