世界のCEOの関心は「メタバースよりもサステナビリティ」 ガートナーがCEOを対象にした調査の結果を発表:「インフレの影響を軽く見ているCEOがいる」
ガートナージャパンは、世界のCEOと上級経営幹部を対象に実施した調査結果を発表した。それによると「環境サステナビリティ」がビジネス優先課題のトップ10に入っており、Gartnerは「人材や価格、生産性などに関するCEOの考え方が、2022年に大きく変化することを示している」としている。
ガートナージャパンは2022年5月19日、世界のCEO(最高経営責任者)と上級経営幹部を対象に実施した調査結果を発表した。この調査は2021年7月から12月の期間で実施した。北米、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋の企業に勤める、CEOと上級経営幹部を対象にしたもので、400人以上から回答を得た。
「メタバースは主要技術にはならないと思う」が51%
「最も自社のビジネスに影響を及ぼす新規技術は何か」という設問については、3年連続(2019〜2021年)で「AI」(人工知能)が挙がった。これに対して「メタバース」については否定的な意見が多かった。メタバースを自社のビジネスに適応できるかどうか聞いたところ、「適用できない技術だ」と回答したCEOの割合は12%、「主要技術になる可能性が非常に低い」と回答した割合は51%に上った。
GartnerのMark Raskino氏(アナリスト ディスティングイッシュトバイスプレジデント)は「従来のCEOは、熱狂的過ぎるくらい新しい技術をビジネスに取り入れてきた。しかし、メタバースについては『主要技術になる可能性が非常に高い』と答えた人であっても、自信を持って取り組んでいる割合は少ないと考えている」と述べている。
注目を集めている「環境サステナビリティ」
ビジネスの優先課題について聞くと「環境サステナビリティ」がトップ10(8位)に入った。これはCEOを対象とした調査では初めてだという。2015年の20位、2019年の14位から大幅に上昇した結果となっている。
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