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「C++」が大幅に上昇し「Java」に迫る、プログラミング言語ランキング「TIOBEインデックス」で分かること首位は「Python」

TIOBE Softwareが発表したプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2022年6月版では、「C++」のレーティングが2021年同月比で大きく上昇した。首位は「Python」だった。

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 ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2022年6月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。

 TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示すランキングで、同社が毎月更新している。今回は「Python」が12.20%のレーティングを獲得し、首位を維持した(2021年6月比で0.35ポイント増)。

 Pythonのレーティングは2022年2月に過去最高の15.33%に達したものの、2022年3月から4カ月連続で下降した。2022年2月以降、2位の「C」とのレーティングの差は1.1ポイント以上で推移していたが、6月は0.29ポイント差に縮まった。

 上位20言語のうち、ここ1年でレーティングが上昇した言語は11個あり、このうちレーティング4位の「C++」が2.26ポイント増と最大の上昇を示した。

 2022年5月に最大の上昇を示したレーティング5位の「C#」は、6月も1.79ポイント増と2番目に大幅な上昇を記録した。上昇幅が3番目に大きいのは、レーティング6位の「Visual Basic」(1.40ポイント増)だった。

C++はJavaを追い抜くか

 レーティング3位のJavaと4位のC++のレーティングの差は、2022年に入って2.3ポイント以上で推移していたが、2022年5月には2.16ポイント、2022年6月にはさらに0.84ポイントと縮まっている。

 TIOBE SoftwareのCEOであるポール・ジャンセン氏は、C++の動向について次のように指摘している。

 「JavaがTIOBEインデックスで最後に首位を占めたのは、2020年4月だった。Javaは翌5月にCに首位を明け渡し、2021年にはPythonにも抜かれた。次はC++がJavaを追い抜きそうだ。高レベルプログラミングによって高いパフォーマンスを実現できることが、C++の好調を説明する。C++は3年ごとに改訂される。この改訂時に画期的な新機能が導入され、C++はC#やJavaに匹敵する言語となり、その一方でJavaのようなガベージコレクタによるパフォーマンスペナルティーがない」


TIOBEインデックス(2022年6月版)の1〜20位(提供:TIOBE Software)

TIOBEインデックス1〜10位の推移(提供:TIOBE Software)

TIOBEインデックス(2022年6月版)の21〜50位(提供:TIOBE Software)

 51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。

ABC、ActionScript、ATLAS、BBC BASIC、bc、BlitzMax、Bourne shell、CFML、Chapel、CL(OS/400)、Clipper、CLIPS、Eiffel、Erlang、EXEC、F#、Forth、Hack、Haxe、Icon、IDL、J#、Ladder Logic、LiveCode、Logo、LPC、Lustre、MDX、MQL4、MUMPS、NATURAL、Nim、Oberon、OCaml、OpenEdge ABL、PostScript、Q、Racket、Raku、REXX、Ring、RPG、Snap!、SPARK、Stata、Tcl、Vala/Genie、VHDL、X10、Xojo。

主要言語の人気の長期的な盛衰は?

 TIOBE SoftwareはTIOBEインデックスの過去12カ月の平均順位における上位10言語の他、知名度の高い4言語については5年ごとの順位もまとめている。過去20〜25年でPython、Java、C#、「JavaScript」が大きく順位を上げている。CとC++も根強い人気を保っていることが分かる。


14言語の5年ごとのTIOBEインデックス順位(提供:TIOBE Software)

「今年のプログラミング言語」の変遷(提供:TIOBE Software)

TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない

 TIOBEインデックスのレーティングは、世界の熟練エンジニア、学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon.com、YouTube、Baiduなどの広く普及した25種類の検索エンジンなどが使われている。

 なお、TIOBEインデックスは「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。

 同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。

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