「Python」が首位を堅持、プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」:「C#」のレーティングが大幅に上昇
TIOBE Softwareが発表したプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2022年5月版では、「Python」が引き続き首位を占め、「C#」のレーティングが前年同月比で大きく上昇した。
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2022年5月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。
TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示すランキングで、同社が毎月更新している。今回は「Python」が12.74%のレーティングを獲得し、首位を維持した(2021年5月比で0.86ポイント増)。
Pythonのレーティングは2022年2月に過去最高の15.33%に達し、3月から3カ月連続で下降している。2022年2月以降、2位の「C」とのレーティングの差は1.1ポイント以上で推移している。
上位20言語のうち、ここ1年でレーティングが上昇した言語は9つあり、このうちレーティング5位の「C#」が、1.98ポイント増と最大の上昇を示した。上昇幅が2番目に大きいのは、レーティング6位の「Visual Basic」(1.85ポイント増)、3番目は、レーティング4位の「C++」(1.01ポイント増)だった。
「C#」のレーティングが大幅に上昇した理由
TIOBE SoftwareのCEO、ポール・ジャンセン氏は、C#について次のように指摘している。
「C#は、現存するプログラミング言語の中で最も成熟した言語の一つであり、多くの最新のプログラミングパラダイムをサポートしている。最近まで、唯一の欠点はLinux対応に疑問の余地があったことだが、ここ2〜3年でそれも急速に変わってきている。C#は、Cに代わってTIOBEインデックスのトップ3に入る可能性が高い。C++20の後押しもあり、間違いなく長期的に上昇トレンドに乗っている」
2〜5位の言語とそのレーティング、前年同月比のレーティング変動幅は次の通り。
- C(1.80ポイント減の11.59%)
- Java(0.74ポイント減の10.99%)
- C++(1.01ポイント増の8.83%)
- C#(1.98ポイント増の6.39%)
51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
ABC、ActionScript、Apex、B4X、BBC BASIC、bc、BCPL、C shell、CFML、cg、CL(OS/400)、Clipper、CLIPS、Clojure、CLU、Crystal、Eiffel、Elixir、Erlang、F#、Factor、GML、Icon、Ladder Logic、LiveCode、Maple、Max/MSP、Mercury、ML、Modula-3、Monkey、Moto、MQL4、MUMPS、NATURAL、NXT-G、Oberon、OpenEdge ABL、PL/I、PostScript、Pure Data、Q、Ring、S-PLUS、Scheme、Snap!、SPARK、Tcl、X10、XC。
主要言語の人気の長期的な盛衰は?
TIOBE SoftwareはTIOBEインデックスの過去12カ月の平均順位における上位10言語と、知名度の高い4言語について5年ごとの順位もまとめている。過去20〜25年でPython、Java、C#、「JavaScript」が大きく順位を上げている。CとC++も根強い人気を保っている。
TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない
TIOBEインデックスのレーティングは、世界の熟練エンジニア、学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon.com、YouTube、Baiduなどの広く普及した25種類の検索エンジンなどが使われている。
なお、TIOBEインデックスは「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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