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「気付けない」「気付いても対処できない」障害をヤプリのSREグループはどう回避したのか「Cloud Operator Days Tokyo 2022」セミナーレポート#3

Cloud Operator Days Tokyo 2022のセッション「顧客影響に気付けるアラート設計と原因特定が素早くできるSREへ ヤプリが乗り越えてきた監視運用の失敗と改善」にてヤプリの望月真仁氏は、監視に関する失敗談とそれをどのように解決したのかについて紹介した。

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 障害は起きないに越したことはないが、残念ながらいつかは発生してしまうものだ。そのため監視で予兆を発見し、迅速に対処できる体制を構築することが重要になる。ただ、そこで懸念されるのは「構築した監視体制が適切かどうか」だ。

 どのような監視でもサーバがシャットダウンする、サービスが落ちるといった非常事態を見逃すことはないだろう。しかし、「半年間でCPU使用率のアベレージが上昇している」といった微妙な変化は検知しにくい。気にしなくてもいいかもしれないが、もしかしたら重大な障害につながる予兆かもしれない。

 Cloud Operator Days Tokyo 2022のセッション「顧客影響に気付けるアラート設計と原因特定が素早くできるSREへ ヤプリが乗り越えてきた監視運用の失敗と改善」では、そういった“監視の課題”に直面したヤプリと取り組みについて紹介した。

ヤプリのSREグループが直面した監視の課題

 ヤプリの望月真仁氏(SREグループ マネジャー)はSRE(Site Reliability Engineering)グループとして監視業務に携わっている。

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ヤプリの望月真仁氏

 同社が提供する「Yappli」はノーコードでアプリの開発、運用、分析ができるアプリプラットフォームだ。導入社数は600社以上、アプリケーションの累計ダウンロード数は1億以上に達し、アップデート回数は年間200回を超えるという。同社は事業拡大とともに2019年にSREグループを新設し、2020年にかけてベースとなる監視の考え方、仕組みを構築した。それ以来、大きな障害がなかったため「われわれのサービスは安定している」と安心していた。

 だが実は、見えないところで問題が進行していた。ある日、Aサービスのサーバのうち2台のプロセスで障害が発生し、残ったサーバもアクセスのスパイクに耐え切れず利用不可になった。さらに翌週にはBサービスのサーバがアクセスのスパイクに耐え切れず利用不可となった。

 望月氏は当時を振り返り「インフラを起因とする障害が立て続けに発生し、アプリケーションの重要機能が使えなくなった。SREグループとしてはなかなか"しびれる"状況だった」と語る。障害の再発防止のため、望月氏らSREグループは早速、振り返りを実施。ポストモーテムも使ってさまざまな監視の課題を洗い出したところ、5つの課題があることが分かった。

現実と監視体制にギャップがある

 1つ目の課題は「障害の緊急性にふさわしいレベルで通知されていなかった」こと。

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