求人倍率はなんと21.8倍 「Java」を求める企業が絶えない理由とは:「PHP」「JavaScript」などは求人が減少
レバレジーズは、「ITエンジニア・クリエイター正社員転職・フリーランス市場動向 2022年7月」を発表した。それによると正社員転職の求人数は増加傾向にあり、フリーランス向け案件数はコロナ前を大きく超えているものの、それ以上に希望者数の伸びが著しいことが分かった。
レバレジーズは2022年8月30日、「ITエンジニア・クリエイター正社員転職・フリーランス市場動向 2022年7月」を発表した。同社が運営するITエンジニア・クリエイター専門エージェント「レバテック」のデータを用いて、ITエンジニアとクリエイターの正社員転職とフリーランスの需給を分析した。
正社員採用は「競争が激化」
レバレジーズによると「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で一時は転職希望者数が減少したが、現在ではエンジニアの転職熱は再び上昇している。2022年7月の正社員転職の求人倍率は15.8倍。求人数は、対前年同月比130%と増加傾向にある」という。
フリーランスについては、2022年7月の案件倍率は2.6倍で、2021年12月を境に減少傾向にある。2022年7月の案件数は対前年同月比150%と増加しているが、それにもかかわらず案件倍率が減少傾向なのは「フリーランス案件希望者数の伸びが著しいからだ」とレバレジーズは分析している。
「コロナ禍をきっかけに、働く場所や時間などに柔軟性を求め、フリーランスへの転向を検討する人が増えている」(レバレジーズ)
職種とスキル別の転職者向け求人倍率を見ると、2022年6月から減少したのは「PHP(ソーシャルゲーム以外)」「JavaScript」「ネットワーク」「Webディレクション」。対前年同月比では「Java(B2B:Business to Business)」と「C言語」だけが増加した。レバレジーズは「Javaは汎用(はんよう)性が高く、根強い人気がある。COVID-19がまだ収束していない現在でも求人数は伸び続けているが、転職希望者数が追い付いておらず、需給の差が広がっている」としている。
フリーランス向け案件倍率を見ると「Python」「Java(B2B)」「Linux」が、2022年6月よりも減少している。対前年同月比で見ると「Python」「C#/C#.NET」「Windows Server」が増加した。レバレジーズによると「案件数はCOVID-19の影響が目立ち始めた2020年の4月以降はV字回復しており、2022年7月は対前年同月比162%となっている。案件希望者数は同332%で、現在再び増加に転じている」という。
レバレジーズは市場動向の分析結果を次のようにまとめている。
「COVID-19の影響で、2021年の正社員転職希望者数はわずかに減少したが、現在では再び増加傾向になり、求人数も増えている。フリーランスに関しては、案件希望者数は2020年3月と比べると約2倍に増加したものの、案件倍率は減少に転じている。企業はエンジニアに対してより柔軟な働き方を許容し、人材を調達する際はフリーランスの活用も含めて検討していく必要があるだろう」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 約6割の企業が「従業員のエンゲージメント・帰属意識」に課題を抱えている エンワールド・ジャパンがリモートワークに関する調査結果発表
エンワールド・ジャパンは、リモートワーク導入後の変化に関する調査結果を発表した。それによるとリモートワークによる利点として、社内ITの促進や余暇時間の増加が挙げる企業が多かった。 - コーチングから学ぶ、1on1の「聴く」技術
マネジャーたるもの、じっと聴いて、聴いて、聴きまくるのだ。 - リクルートマネジメントが新対話方法「2on2」を開発 業務過多の中間管理職向け
リクルートマネジメントソリューションズは、「組織における対話方法の開発」に関する研究の中間成果を発表した。同研究の目的は、中間管理職が「対話の方法」を活用して、より良い組織を構築すること。研究成果の実用化も検討予定だ。