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リクルートマネジメントが新対話方法「2on2」を開発 業務過多の中間管理職向け「1on1残業」をしている中間管理職は多い?

リクルートマネジメントソリューションズは、「組織における対話方法の開発」に関する研究の中間成果を発表した。同研究の目的は、中間管理職が「対話の方法」を活用して、より良い組織を構築すること。研究成果の実用化も検討予定だ。

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 リクルートマネジメントソリューションズは2020年2月27日、「組織における対話方法の開発」に関する研究の中間成果を発表した。同研究の目的は、プレイングマネジャー化する中間管理職が、従業員の管理や変化の大きいビジネスへの対応など、組織内で生じるさまざまな問題を解決することを求められ、役割を十分に果たすことが難しくなっている状態を解消すること。埼玉大学大学院の准教授を務める宇田川元一氏と2019年9月から共同で進めている。

「対話」とは「新しい関係性を構築すること」

 同研究では、中間管理職が「対話の方法」を活用して、より良い組織を構築することを目指している。ここで「対話」とは、単なるコミュニケーション手法ではなく、「新しい関係性を構築すること」を意味する。例えば、複数の人が同じものを見ていても、各人の捉え方が異なることを認め合うことだ。そして、各人の捉え方の背景を議論し互いに取り入れることで、各人が同じ状況でも従来とは異なる面から物事を捉えられるようになることを目指す。

 こうした研究の背景には、中間管理職が部下を管理しにくくなってきていることがある。リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、現在、中間管理職のうち7割強がプレイングマネジャーで、そのうちの4割強では管理業務以外(プレイング業務)の割合が45%以上だという。多くの中間管理職が業務過多の傾向にある。

 こうした中間管理職が抱える問題の解消を支援するために同研究で開発している対話の方法は、「2on2」と呼ぶ手法。面談の当事者に加えて、職場のメンバーや支援者も対話に加えることで、当事者同士の会話にフィードバックがかかるような環境を作り出す。リクルートマネジメントソリューションズは、多様な視点を出し合いながら捉え方を広げて、困りごとが生じるメカニズムを知り、その事象とのより良い付き合い方を見いだせるとしている。

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変化するビジネス環境(出典:リクルートマネジメントソリューションズ

 これに対して、現在多くの組織の面談などで実施されている「1on1」は、2者間の了解に基づいて話が進んでいくため、特定の話題を深めていくのに有効な手法だ。ただしリクルートマネジメントソリューションズは、参加者間の関係性が深まっていない場合には、本音での会話が難しく、閉鎖環境で行われる特性から、関係性の固定化や会話のパターン化を招くことがあると指摘する。その結果、頻繁に会話を実施しているにもかかわらず、組織の問題が慢性化するという状況が生じるという。

 リクルートマネジメントソリューションズは、「2on2」を核とする対話プログラムを開発中で、2020年9月ごろをめどに実用化の可能性を検討する予定。同社が管理職向けに提供するメンバーマネジメント支援サービス「INSIDES」の実施後に行うプログラムとして提供することを目指すとしている。

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