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VMwareの、幾重にも織り込まれたマルチクラウド戦略の現在VMware CEOと振り返るVMware Explore 2022(2)(1/2 ページ)

VMwareのマルチクラウド戦略は幾つもの層で成り立っている。VMware Explore 2022では、これについてより具体的なイメージが抱けるようになった。本稿では、その概要をあらためて紹介し、コンテナ基盤とネットワーク/セキュリティについて、より詳しく取り上げる。

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 VMwareのマルチクラウド戦略は幾つもの層で成り立っている。これについて、大まかには2021年のVMworldでも語られていたが、抽象的な言及にとどまる部分があり、イメージしにくいところがあった。だが、今回のVMware Explore 2022では、さまざまな発表を通じて、より具体的にイメージできるようになった。

 VMworld 2021の段階では、「マルチクラウド戦略といっても、結局は自社のプラットフォームを中心としたものではないのか」という印象を完全に払拭(ふっしょく)することはできなかった。だが今回は「自社のプラットフォームを引き続き推進しながらも、それ以外のIT環境を同等に考え、マルチクラウド全般の課題に応えようとしている」ことが明確になった。

 本稿では、まず、あらためてVMwareのマルチクラウド戦略のさまざまな側面と、VMware Explore 2022での進展を簡単に紹介し、次にコンテナ基盤とネットワーク/セキュリティについてVMware CEOのラグー・ラグラム氏と振り返る。

どんなマルチクラウドに対応しようとしているのか

 VMwareが目指していることを一言でまとめると、「企業のあらゆるクラウドの使い方について、課題の解決を支援する」ということになる。

 企業のITニーズは組織ごとに多様化している。これを踏まえて、各企業のハイブリッド/マルチクラウド利用のさまざまな形態について、IT運用部門、開発チーム/プラットフォームエンジニアチームの、さまざまなIT基盤および運用のニーズに応えるということがVMwareのマルチクラウド戦略の根底にある。

 VMwareは同社のマルチクラウド戦略を体現する「VMware Cross-Cloud Services」を「Cloud and Edge Infrastructure(クラウド/エッジ基盤)」「App Platform(アプリ開発・運用基盤)」「Security and Networking(ネットワーク/セキュリティ)」「Cloud Management(マルチクラウド管理)」「Anywhere Workplace(デジタルワークプレース)」の5つの柱(テーマ)に分けて説明している。各テーマの中でも多重なレイヤリング、あるいは多様な顧客とのタッチポイントが用意されている。


VMwareのマルチクラウド戦略の5つの柱

 本稿ではまず、このうちデジタルワークプレースを除く4つにつき、下に要約して紹介する。

マルチクラウド管理

 前回紹介したマルチクラウド管理では、オンプレミス、パブリッククラウドにまたがる多様な側面からの管理を、オープンなアーキテクチャで行えるようにした「VMware Aria」を発表した。新アーキテクチャによって、多様なエージェント/センサー/データソースの情報を関係付けて管理し、標準的なAPIでアクセスできるようになっている。一方でVMwareは新アーキテクチャを活用し、さまざまなクラウドにまたがり、場合によっては分野を横断した包括的な監視・管理・運用が行えるツール群、ソリューション群を提供していく。

ネットワーク/セキュリティ

 ネットワークセキュリティ関連ではネットワーク仮想化のVMware NSXの適用範囲を広げている。セキュリティでは、ネットワークセキュリティを含み、オンプレミス、パブリッククラウドのさまざまなセキュリティを強化する包括的な管理の取り組みが進んでいる。

 Explore 2022で発表された「Project Northstar」は新たに発表された開発プロジェクト。NSXを活用して、分散ファイアウォールなどのネットワークセキュリティを、オンプレミス、パブリッククラウドにまたがって一貫したポリシーの下で統合的に適用する製品を開発している。

アプリケーションプラットフォーム

 Kubernetes基盤およびクラウドネイティブアプリケーションの開発・運用環境を提供するTanzu製品群では、コンポーネント化が引き続き大きな特徴の1つ。自社のKubernetesディストリビューション「Tanzu Kubernetes Grid」を推進する一方で、開発者、運用者が他のKubernetesディストリビューションとも組み合わせて使えるツールを展開している。また、Tanzuでは、さまざまな場所のKubernetesクラスタを統合運用できる機能に力を入れている。

 Explore 2022では、開発者向けツールのTanzu Application Platformでの機能強化とRed Hat OpenShiftのサポート、Kubernetes運用を助けるTanzu Kubernetes Operationsで、機能追加とAmazon Elastic Kubernetes Service(EKS)クラスタのライフサイクル管理機能の提供などが発表された。

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