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「Visual Studio Code」の「October 2022」公開、Webブラウザ版VS Codeの機能強化点は?検索結果の絞り込み、コマンドセンターモード、マージエディタなどの機能が改善

Microsoftは、クロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「October 2022」リリース(バージョン1.73)を公開した。ワークベンチ、言語、VS Code for the Web、アクセシビリティーなどの機能が強化されている。

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 Microsoftは2022年11月3日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「October 2022」リリース(バージョン1.73)を公開した。

VS Codeバージョン1.73では、ワークベンチ、言語、「VS Code for the Web」、アクセシビリティー、拡張機能のサポートなどの機能が追加、改善されている。

ワークベンチ

検索するフォルダの指定と除外機能

 検索結果のツリー表示で、フォルダを右クリックして表示されるコンテキストメニューに2つのオプションが追加された。

  • Restrict Search to Folder(検索をフォルダに制限)

 このオプションを選択すると、選択されたフォルダのパスが[files to include](含めるファイル)テキストボックスに追加される。そして、このテキストボックスにパスを追加すると、検索結果が、テキストボックス内で列挙されたパスまたはパターンに適合されるもの制限される。

[検索をフォルダに制限]オプションの使用(提供:Microsoft)
[検索をフォルダに制限]オプションの使用(提供:Microsoft)
  • Exclude Folder from Search(フォルダを検索から除外)

 このオプションを選択すると、選択されたフォルダのパスが[files to exclude](除外するファイル)テキストボックスに追加される。そして、このテキストボックスにパスを追加すると、列挙されたパスまたはパターンに適合するものが検索結果から除外される。

[フォルダを検索から除外]オプションの使用(提供:Microsoft)
[フォルダを検索から除外]オプションの使用(提供:Microsoft)

コマンドセンターモードのショートカットを追加

 コマンドセンター(コマンドランチャーをウィンドウタイトルとともに表示する)に新しい最上部セクションが追加され、ファイルへのナビゲート、コマンドなどの実行方法を簡単に見つけられるようになった。

 この短いコマンドセンターモードのリストは、キーバインドのヒントも提供しており、コマンドセンター全体を参照しなくても、最もよく使うモードに直接移行できる([Go to File]《ファイルに移動する》など)。

コマンドセンターモード(クリックで動画を再生)(提供:Microsoft)
コマンドセンターモード(クリックで動画を再生)(提供:Microsoft)

 コマンドセンターのUIは、既定ではタイトルバーに表示されておらず、表示するには「Window: Command Center」(window.commandCenter)設定を使うか、タイトルバーを右クリックして[Command Center](コマンドセンター)にチェックを入れる。

マージエディタの改良

 Gitにおけるコンフリクト(競合)を解決するためのマージエディタが改良され、幾つかのバグ修正や新機能が追加された。

  • ローカル側とリモート側の両方の追加による競合の受け入れ

 [Accept Incoming](リモート側を受け入れる)と[Accept Current](ローカル側を受け入れる)の両方を常に選択することが可能になった。両方のオプションが選択されていると、マージエディタは、対応する変更された行を追加する。

 下記の動画では「RelativePattern」が2回インポートされている。両方の行が受け入れられているからだ。

リモート側とローカル側の両方が受け入れられる様子(提供:Microsoft)
リモート側とローカル側の両方が受け入れられる様子(提供:Microsoft)

 文字レベルでの競合がなく、解決が可能な場合、[Accept Combination](組み合わせを受け入れる)というオプションが表示される。これは、競合を自動的に解決するために使用できる。

 下記の動画では、両方のシンボルが同じインポート文にインポートされている。

組み合わせが受け入れられる様子(提供:Microsoft)
組み合わせが受け入れられる様子(提供:Microsoft)
  • ベースに対する差分装飾

 ベースビューを開くと、現在フォーカスしている側とベースとの差分が表示される。この差分表示を利用して、ローカル側とリモート側の変更をよりよく理解できる。

  • 差分アルゴリズムの改善

 マージアルゴリズムの既定の差分アルゴリズムが変更され、新しい差分アルゴリズムは、さまざまなマージシナリオに最適化されている。一般的なケースでは、ハンクの数が最小限に抑えられ、挿入位置が最適化される。「mergeEditor.diffAlgorithm」設定で「smart」を選択すると、元のアルゴリズムに戻すことができる(既定は「experimental」)。

  • 競合位置のナビゲート

 コンフリクトカウンタをクリックすると、次の未処理のコンフリクト行に移動する。

言語:Markdownファイルの名前変更および移動時の自動リンク更新

 「markdown.updateLinksOnFileMove.enabled」設定を有効にすると、VS Codeのエクスプローラでファイル名の変更や保存場所を変更したときに、Markdownのリンクや画像が自動で更新される。

Markdownファイルの移動や名前変更時にファイルのリンクが更新される(提供:Microsoft)
Markdownファイルの移動や名前変更時にファイルのリンクが更新される(提供:Microsoft)

アクセシビリティー:新しい効果音

 タスク処理やターミナルで役立つ新しい効果音が用意された。

  • タスクが完了したときに音が鳴る(「audioCues.taskCompleted」設定で制御)
  • タスクが失敗したときに音が鳴る(「audioCues.taskFailed」設定で制御)
  • ターミナルのクイック修正が利用可能になった場合、音が鳴る(「audioCues.terminalQuickFix」設定で制御)

「VS Code for the Web」:ブランチ作成および保護ワークフローの改善

 インストール不要で、Webブラウザから利用できる「VS Code for the Web」上のGitHubまたはAzure Reposリポジトリで、保護されたブランチにコミットすると現在のブランチが保護されていることが通知され、新しいブランチを作成するよう促されるようになった。

 この新機能は、デスクトップ版VS CodeでGitHub RepositoriesまたはAzure Repos拡張機能を使用している場合にも適用される。

拡張機能のサポート:リモート開発

 「Remote Development」拡張機能パックの導入により、コンテナ、リモートマシン、WSL(Windows Subsystem for Linux)を、全ての機能を備えた開発環境として利用できる。VS Codeバージョン1.73に対応した拡張機能パックのハイライトは次の通り。

  • Dev Container Template:既存テンプレートを基に、Dev Containerを素早く作成できる
  • Dev Container features:パッケージ化された機能(または独自機能)を含めることで、Dev Containerに各種言語などの機能を追加できる
  • 開始フォルダなしで新しいDev Containerを作成できる

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