起業家の課題、最も男女差が大きかったのは「家庭との両立」 デルが起業に関する意識調査結果を発表:約1割の起業家が「年間事業売上規模5億円以上」を達成
デル・テクノロジーズは、起業に関する意識調査の結果を発表した。起業したタイミングは30歳代が最も多く、事業売上規模は1000万円未満が最多だった。「資金調達」と「経営知識の習得」が2大課題として挙がった。
デル・テクノロジーズは2022年11月24日、起業に関する意識調査の結果を発表した。この調査は全国の15歳以上の起業家を対象に実施し、999人から有効回答を得た。
最も多い「起業のきっかけ」は?
起業した業種を見ると、男女間で違いがあった。女性では「サービス」が24.0%で突出して多く、次いで「不動産」(10.1%)、「IT」(9.4%)が続いた。これに対して男性は、「サービス」(18.9%)、「IT」(16.6%)、「不動産」(11.3%)で半数近くを占めた。年齢別に見ると、20〜30歳代でITの比率が高く、28%に上った。
起業したときの年齢は、30歳代が男女ともに最も多い。男性は32.1%、女性は32.9%。次いで20歳代で、男性が27.6%、女性が30.7%だった。起業するまでにかかった期間は、3年未満が7割強。1年未満でも半数を超えた。
起業した事業の従業員数は、「2〜9人」が最も多い(男性42.0%、女性47.6%)。次いで「1人(自身のみ)」で、男性が19.9%、女性が18.8%だった。事業の年間売上規模は、「1000万円未満」と回答した人の割合が女性32.7%、男性21.6%でともに最も多い。その一方で、「5億円以上」も、女性7.9%、男性10.3%で、全体の1割弱を占めた。
起業したきっかけは、全体では「仕事のやりがいのため」(36.1%、複数回答、以下同)、「夢・目標の実現のため」(34.0%)、「収入の向上のため」(31.5%)が上位3位となっていた。女性に限ると、「夢・目標の実現のため」(35.1%)、「仕事のやりがいのため」(33.9%)、「収入の向上のため」(29.8%)が上位に挙がっていた。
女性の方が「家庭との両立」に悩んでいる
起業家が抱える課題では、「資金調達」(44.8%、複数回答、以下同)と「経営知識の習得」(34.9%)を挙げる人が多かった。男女間の開きが大きかったのは「家庭との両立」で、男性の11.8%に対して女性は20.0%だった。そうした課題を解決するための方法として、「専門家への相談」(男性の36.5%、女性の41.8%)を挙げた人が最も多かった。次いで、「家族の協力」(男性の27.3%、女性の30.0%)が続いた。
起業後に感じたポジティブな変化やメリットについて聞くと、男女ともに「やりがい」(男性50.4%、女性52.2%、複数回答、以下同)を挙げた人が最も多く、半数以上を占めた。次いで「収入が増えた」「生活の自由度が上がった」「定年がなく長く働ける」などが挙がった。これに対してデメリットは「大きな責任・プレッシャーを感じる」(男性42.7%、女性43.3%)が男女ともにトップ。次いで、「忙し過ぎる」(男性32.1%、女性34.4%)、「収入が減った、安定しない」(男性27.6%、女性29.3%)などが続いた。
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