「今も紙とはんこを使っている」のは1割、ほとんどの企業で契約業務のデジタル化が進む ドリーム・アーツ:契約業務のデジタル化に関する調査結果を発表
ドリーム・アーツは、「契約業務のデジタル化」に関する調査の結果を発表した。それによると約9割の企業が契約業務のデジタル化に取り組んでいることが分かった。
ドリーム・アーツは2023年1月24日、「契約業務のデジタル化」に関する調査の結果を発表した。これは、従業員数1000人以上の企業に勤務する従業員を対象に実施し、500人から有効回答を得た。
ほとんどの企業が「最初の一歩」を踏み出している
契約業務のデジタル化の進捗(しんちょく)状況について聞くと「会社の契約業務がデジタル化されている」と回答した人の割合は89.6%だった。ただし、「全ての契約業務がデジタル化されている」と回答した人の割合は27.4%にとどまった。なお、「紙とはんこで契約業務をしている」と回答した割合は10.4%だった。
デジタル化している契約業務については「承認ワークフロー」が最も多く、71.0%(複数回答、以下同)だった。次いで「電子契約、電子署名」(60.3%)、「契約書データの保存」(58.0%)などが続いた。
デジタル化の実装方式について聞くと「SaaS」(Software as a Service)が最も多く、「オンプレミス、スクラッチ」の割合を上回っていた。
デジタル化を阻んでいるのは「業務の分断」
契約業務をデジタル化した企業に「デジタル化で全ての課題は解決したか(デジタル化しても解決されない課題があるか)」と聞いたところ、78.5%が「解決されない課題がある」と答えた。課題の内容については「各システムが連携されず、業務が分断され非効率」「複雑なワークフローをデジタル化しきれていない」「全てをデジタル化したいのにできない」などが挙がった。
業務の分断について詳しく聞いたところ、「契約業務が、開始から終了までワンストップで完了する」と回答した人は40.4%となっていた。部門別で見ると「IT部門」は50.0%、「法務部門」は46.0%となっている。一方、事業部門(ITと法務以外の部門)は34.9%となっていた。ドリーム・アーツは「契約業務に関連する各システムの連携が不足しており、現場とそれ以外の部門との差が大きいようだ」と分析している。
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