豆腐メンタル流「理不尽との戦い方」:仕事が「つまんない」ままでいいの?(130)(1/3 ページ)
職場の理不尽に疲れたあなたへ。「熱量弱め、豆腐メンタル」は弱さではありません。消耗せずに理不尽を受け流し、心を折らずに長く戦い続けるための「最強のレジリエンス」戦略です。
仕事をしていると、「なぜこんなことが起こるのだろう」「なぜこんな言われ方をされなくちゃいけないんだろう」と、頭を抱えるような理不尽な事態に遭遇することがあります。
顧客からの感情的な無理難題、気分屋な上司からの意味不明な指示、非効率な社内政治――。一生懸命取り組んだにもかかわらず全く報われない結果、私たちは日々、道理の通らない理不尽なことに直面し、心が削られ、エネルギーを激しく消耗しています。
理不尽な出来事が起きると、私たちはしばしば「熱く」体当たりで挑んだり、「鋼の心」で耐えようとしたりします。しかし、それは消耗戦です。
鋼の心は確かに強いかもしれませんが、負荷がかかり過ぎると、ある日突然、パキッと音を立てて折れてしまう恐れがあります。また、「見て見ぬふり」という方法もありますが、一時的にやり過ごせても、問題の本質は解決しないままです。
そこで私が提案したいのが、「熱量弱め、豆腐メンタル」による、しなやかな戦い方です。
ボクはあまり熱量が高い方ではありませんし、メンタルも決して強い方ではありません。しかし、その特性こそが、現代の理不尽な世の中を生き抜くための「最強のレジリエンス(折れない心)」になるのではないかと思っています。
この特性を持つボクが実践している、自分の心を守りながら「いい気分で仕事を続ける」ための理不尽との戦い方をお話しします。
「理不尽」の正体を知る
ところで、私たちが戦うべき「理不尽」とは、そもそも何なのでしょうか?
理不尽を単純に言えば「道理に合わないこと」「筋が通らないこと」「理屈が通らないこと」です。道理や常識から外れた態度や行動、無理やり押し付けられる状況など、納得できない出来事に対して使われる言葉です。
仕事における理不尽の多くは、人間の感情や組織の構造によって生み出されます。上層部の非論理的な判断、感情論の押し付け、努力に対する不公平な評価などがこれに当たります。
もう少し視野を広げてみると、理不尽は私たちの日常に、そして世界に常に存在しています。
普遍的な理不尽の例を挙げましょう。生まれたばかりの赤ちゃんの育児がそうです。夜中に起こされたり、何をしても泣きやまなかったり。えたいの知れない生物のお世話は実に理不尽です。育児の理不尽さは愛情で受け入れるしかありません。
自然も普遍的な理不尽の一つでしょう。近年は異常気象による記録的な猛暑や干ばつ、急な豪雨による水害などが頻繁に観測されています。いままで順調に育っていた作物が、急な台風や干ばつで一瞬にしてダメになる……といったことは、人知ではどうにもなりません。これも実に理不尽です。
世界で繰り広げられている戦争も、理不尽極まりないものの一つでしょう。
これらの例から分かる通り、究極の理不尽は、私たちにとって「コントロールできないもの」です。仕事の理不尽も、本質的にはこの「コントロールできないもの」に属しています。
私たちの心を守りながら理不尽さと対峙(たいじ)するためには、「自分の意思だけではコントロールできないことがあるんだ」と認識することが最初の砦(とりで)です。つまり「全てを自分でどうにかしようとしない」ことが大切なのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新型コロナの「理不尽なサバイバル」を乗り切る3つの戦略
長期化する新型コロナウイルス。「これが正解」という明確な解決策が見いだせない中、会社や顧客からの理不尽な要求に、「仕方がない」と悔しい思いをしていませんか。でも、もう一歩踏み込んで考えてみると、「理不尽なサバイバル」を乗り切れるかもしれません。退職エントリーを書かれる前に実践したい、エンジニアが辞めないチームの作り方
焼きそば、低スペックPC、家賃補助カット――チームメンバーの退職エントリーが「はてブ」や「Twitter」でバズるの、つらいよね。あなたは細マッチョ? ゴリマッチョ?――スマートな「働く筋肉」の付け方
「働く筋肉」を付けるために必要なのは、「過度な仕事」ではなく「楽しさ」でした。