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「開発者不足」が2年連続で最重要課題に、開発現場はローコード/ノーコードツールに注目だが危うさも……「開発用ツールの進化についていけない問題」も Infragisticsの調査

Infragisticsは、2228人のソフトウェア開発者とITプロフェッショナルを対象とした年次調査の結果を発表した。テクノロジー業界でレイオフが相次ぐ一方で、適切なスキルを持つ開発者の雇用が2年連続で最重要課題となった。

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 コラボレーションツールを開発、提供するInfragisticsは2023年2月23日(米国時間)、テクノロジー業界におけるソフトウェア開発や働き方に関する課題を調査した結果を発表した。同調査は2228人のソフトウェア開発者とITプロフェッショナルから回答を得た。

開発者雇用が最重要課題に

 テクノロジー業界でレイオフが相次ぐ一方、ビジネスにおける最重要課題は、スキルを持つ開発者の確保が37.5%、従業員の安全確保が37.2%、限られたリソースが36.5%だった。

 開発者の確保が難しい職種は、DevOpsエンジニア、データ分析開発者、ITセキュリティエンジニアだ。適切なスキルを持つ開発者の不足は、76.8%がローコード/ノーコードツールの利用で解決していた。

 InfragisticsのReveal and Slingshot Product Managerのケーシー・マクギガン(Casey McGuigan)氏は次のように述べている。

 「テクノロジー業界は、ビジネス世界のデジタル化を競う中で、熟練のソフトウェア開発職の採用に苦戦し続けている。企業は、スキル不足の課題とコスト削減を目指し、ハンドコーディングをほとんど必要としないローコード/ノーコードツールのようなソリューションに注目している」

ソフトウェア開発の課題は「ツールの進化についていけない」

 テクノロジー業界におけるその他の課題としては、開発者向けツールの進化に追随できないが27.7%、サードパーティーとの連携が26.7%、ワークロード管理が26.2%、セキュリティ対策が26.1%、プロジェクトマネジメントが26.1%、顧客の高すぎる期待が26%だった。

 同調査では、2023年にソフトウェア開発者とITプロフェッショナルが取り組む内容として以下を挙げた。

  • プロジェクトマネジメントの改善(30%)
  • デザイナーと開発者のコラボレーション改善(30%)
  • 市民開発者向けのソフトウェアの活用(27%)
  • リモートスタッフの活用(25%)
  • データカタログ/分析カタログの取り組み(25%)

ハイブリッドな働き方でプロジェクトの追跡が困難に

 多くの企業がリモート/ハイブリッドチームに移行し、社内で働くソフトウェア開発者やITプロフェッショナルが18.6%に減った今、新しいデジタル環境でのチームメンバー間のコミュニケーションおよびコラボレーションの難しさも課題になっている。

 通勤時間の短縮により、57.9%が仕事のプロジェクトを完了させるための時間が増えていた一方、42%はプロジェクトの追跡が困難であり、31.9%はハイブリッド環境で生産性が低下していると回答した。

 こうした中で、ソフトウェア開発者は生産性を確保するための最適な方法を模索している。ソフトウェア開発者がコラボレーションに関する課題の対策として検討していることは、全員がコラボレーションして問題を解決できるツールの利用が54.4%、ワークフローとプロセスの自動化が47.5%、手動でのファイル共有排除が43.7%だった。

景気後退期でもIT、DX投資は衰えない

 同調査によると、2022年に収益が増加したと回答したのは18.8%で、2021年調査の25%より減少した。新しいプロジェクトに挑戦した開発者の割合は、2021年に36.2%、2022年は33%とわずかに減少している。新しい市場に進出した割合は25%で、前年比8%減となった。

 マクギガン氏は次のように述べている。

 「テクノロジー企業はコロナ禍で急速にビジネスを拡大した結果、リストラや引き締めを行っている企業もある状況だ。だが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みは、企業に成長と収益のための新たな機会を提供している。企業は景気後退期においてもITインフラ、アプリケーション、カスタマーサクセス、DX構想への投資を継続するだろう」

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