誰でも利用可能な気象予測モデル「ClimaX」をMicrosoftが公開 何がすごいのか:さまざまな気候および気象タスクに対処可能
Microsoftはオープンソースの気象予測ディープラーニングモデル「ClimaX」を発表した。
Microsoftは2023年1月25日、気象予測ディープラーニングモデル「ClimaX」を発表した。
ClimaXは、複数の時空間解像度で多くの気象変数にまたがるいくつかの異種データセットを使用してトレーニングされた。事前学習で見られなかった大気変数や時空間粒度を含む、さまざまな気候・気象タスクに対応できるという。MicrosoftはこのClimaXをオープンソース化し、GitHub上で公開した。トレーニング済みのモデルチェックポイントファイルは、ClimaXのWebサイトからダウンロードできる。
ClimaXのアーキテクチャ
MicrosoftはClimaXを事前トレーニングするために、標準的で均一な気象データセットではなく、複数のグループによるさまざまな気候シミュレーションの結果として豊富に存在する、物理学に基づいた気候シミュレーションデータセットを活用した。
ClimaXの核となるのは、ビジョントランスフォーマー(ViT)に基づく多次元の画像から画像への変換アーキテクチャだ。ViTベースのアーキテクチャは、さまざまな時空間入力に似たマルチスケールデータの空間的性質を自然にトークン化するため、気象や気候現象のモデリングに特に適している。さらに、トークン化を幅広いマルチチャネル機能に拡張できる。
同社は「私たちの目標は、最新の機械学習手法を誰でも簡単に使用して、ローカルスケールでの短期的な予測から、気象や気候変数を含む長期的なプロセスのモデル化まで、さまざまな問題に対処できるようにすること。ClimaXは、このようなさまざまなタスクの単一の出発点という考えに向けて大きな一歩を踏み出した」とコメントしている。
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