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エッジコンピューティングがなかなか成熟しないのはなぜかGartner Insights Pickup(301)

エッジコンピューティングはホットだ。しかしその一方で、非常に未熟で、成長するのに時間がかかっている。それはなぜか――?

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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」や、アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」などから、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 Gartnerの顧客から寄せられる問い合わせから考えると、エッジコンピューティングはホットだ。だがその一方で、非常に未熟で、成長するのに時間がかかっている。それはなぜか――?

 企業は、意識的に「エッジコンピューティング」に取り組んでいるわけではないからだ。企業が取り組んでいるのは自動化やアジリティ、スピード、顧客体験、生産性、予測メンテナンス、オフィスの衛生、公共の安全、品質管理など、数え上げればきりがない。

 エッジコンピューティングは、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を、バックオフィスから店舗、人、機器へと「どのように」展開するかを具体化するコンピューティングスタイルだ。だが、Gartnerの顧客企業と話すと、企業は「エッジコンピューティング」ではなく、特定のユースケースに意識を向けていることが分かる。

 もちろん、企業はそれらの展開先を「エッジ」とすら思っていない。それらは企業にとって、実際の仕事が行われる場所だ。このため、ITベンダーやクラウドプロバイダー、通信事業者が「ファーエッジ」(遠隔エッジ:実際の顧客や実際の工場が存在し、実際の仕事が行われる場所)について語っても、ITベンダーのデータセンター中心の考え方に染まっていない人々にとっては意味をなさない。現実の世界は、データセンターやクラウドを中心に回っているわけではない。こうした人々にとって、現実の世界で本当に遠くにあるものはクラウドであり、データセンターだ。

 エッジコンピューティングは、DXのトレンドに含まれるテクノロジーのスタイルだ。DXは、私たちがそう呼ぶはるか前から、何十年にもわたって進められてきた。それが今、クラウドコンピューティングや、グローバルな通信ネットワークにより加速している。

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