AI時代のエンジニアのキャリアパス――不安を前向きなマインドに変える:仕事が「つまんない」ままでいいの?(101)(2/3 ページ)
AIをはじめとした技術革新の話題が盛んです。新たなテクノロジーの登場で、エンジニアとして「このままでいいのかな?」と、課題感や不安感を抱いていませんか?
ChatGPTと仲良くなったら、仕事が楽しくなった
ChatGPTは仕事のライバルなのでしょうか。
私の「文章を書く」という仕事においては、ライバルではなく、とても良い相棒です。いままでだったら「あぁ、今回はネタがないなぁ。何を書こう……」と多くの時間を途方に暮れていました。頭を振り絞って書き始めても筆が進まず、2〜3日費やしてしまった……といったこともザラでした。
しかし、ChatGPTに「想定読者がこんな感じなんだけど、何に困っていると思う?」「そのためには、どんなアドバイスがあるといいだろう?」とプロンプトに投げると、良い話し相手になってくれます。まるで、壁打ちのように。
これまでは自分の思考の範囲にはなかった視点が提示されると、「おぉ、そうか。その視点があったな。じゃあ、それについて書いてみるか」と思考を深められます。それが、文章を書く新たな楽しさになっています。
エンジニアの世界でも、こうした技術革新によって生まれる「新たな楽しさ」があるはずです。
ここからは、「ChatGPTの使い方」といった技術的なことではなく、技術革新がもたらす課題や不安を前向きに捉え、自身を成長させ続けるマインドについて考えていきます。
技術革新を前向きなマインドで捉えるために大切な3つのこと
1 「エンジニアとして大切にしたい価値観」を見直してみる
現在のように技術革新が急速に起こっているとき、「大切なのは、技術革新の流れに柔軟に対応し、新しい価値を生み出すこと」「そのために、学び続けよう。成長し続けよう」といった話はよくあります。
でも、理想論としては分かるものの、現実は「それが大切なのは分かる。でも……」と、現状維持の力が働く方が一般的ではないかと思います。人間はグダグダしている生き物ですよね。自身の経験としても。
それ故、どんなに「いま○○がはやりだから!」「これからは、○○しないといけない!」と自分にハッパを掛け、学習に手を付けても、「私は○○のためにこれをしているんだ!」といったアイデンティティーがはっきりしていないと、目的が定まっていないが故に、学習が長続きしない場合が多くなりがちです。
そこで、「どのようなエンジニアになりたいのか」「何を大切にして働きたいのか」「どのような価値を提供したいのか」といった、あなたにとって大切な「本質的な在り方」を再確認してみるのはどうでしょうか?
2 「エンジニアの何が楽しいのか」を問い直してみる
行動を継続するためには「楽しさ」も重要な要素です。皆さんにとっての「エンジニアの楽しさ」は何ですか? あるいは、いままで仕事をする中で、楽しいと感じた場面は、どういったときですか?
エンジニア時代の私は、「美しく、効率的なコードを書く」ことにこだわっていたし、それが楽しさの一つでした。新しいフレームワークやAPIを使ってみるのも楽しかったなぁ。「おぉ! こんなことができるのか! スゲー!」みたいな。
「美しく、効率的なコードを書く」ことについては、AIに置き換わってしまうかもしれませんが、「新しい何か」に触れることが楽しさだったとすれば、ChatGPTのような新しいサービスは楽しいし、使いこなすのもワクワクします。
ちなみに、私はいまエンジニアではありませんが、ChatGPTに入力する最適なプロンプトを考え、対話しながら文章を作っていくことに、エンジニア時代のワクワク感を思い出しています。こういう楽しさって、大事ですよね。
技術革新が進む環境の中でも、あなたが「楽しい」と感じる要素があるはず。それを認識するためにも、「私は、エンジニアの何に楽しいと感じていただろう?」のように、楽しいと感じる要素を問い直してみてください。そして、いまの技術の中で生かせないか、試してみましょう。
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