月例更新なんてカワイイもの、アプリの更新も忘れずに!――Microsoft製品の“更新”にまつわるエトセトラ:山市良のうぃんどうず日記(257)
Windows PCのセキュリティと安定性を維持するために、毎月1回のWindows Updateは欠かせません。Windows Updateで問題が発生しない限り、更新プログラムをインストールして再起動すれば、すんなり終わります。毎月の定例行事みたいなものなので、皆さん慣れたものでしょう。でも、Windows Updateだけちゃんとやっておけばいい、というわけでもありません。
Windows Updateの“これまで”と“今”
「Windows Update」「Microsoft Update」は、長年の間、Windows OSの更新プログラムだけでなく、Microsoft製品の更新プログラムも提供してきました。
例えば、10年ほど前には、WindowsやWindows Serverだけでなく、「Microsoft Office」や「Internet Explorer」の更新プログラム、Microsoftサーバ製品の更新プログラム、「Windows Defender」の定義ファイル、これら全てをWindows Updateでインストールできました。
Windows Updateは「Windows 95/98」の時代にWebアプリ(Webサイト)として登場し、その後、「Windows Vista」でOSの「コントロールパネル」に統合され、「Windows 8/8.1」で「コントロールパネル」と「PC設定」アプリの両方からアクセスできるようになり、「Windows 10」で「設定」アプリに完全に移行しました。
また、Windows 10からは、通常の更新プログラム(品質更新プログラム)に加えて、年に複数回、Windowsの新バージョン(機能更新プログラム)がWindows Updateを通じて提供されるようになりました。Windows 10が登場してしばらくは、毎月、複数回更新プログラムが提供されることはよくあったので、また“更新プログラムが来た”と振り回されたユーザーも多いのではないでしょうか。
その後、Windows Updateは、毎月第2火曜日(米国時間)にリリースされるセキュリティ修正を含む「累積更新プログラム」(Bリリース)と、その翌週以降にリリースされる「オプションの更新プログラム」(累積更新プログラムのプレビュー、Cリリースとも呼ばれます)のサイクルに落ち着き、通常は毎月1回、BリリースをWindows Updateでインストールしておけばよいようになりました。そして、「Windows 11」登場以降、機能更新プログラムも1年に1回のサイクルに落ち着きました。さらに、Microsoftは2023年4月から、CリリースをWindows 10の最新バージョンおよびWindows 11にのみ、第4火曜日(米国時間)にリリースするように変更しました。
一方、Windows Updateから離脱していったMicrosoft製品(およびサードパーティー製品)も存在します。かつて、「Windowsインストーラー」(MSI)形式で提供されていたMicrosoft Officeアプリは「クイック実行方式」(Click-To-Run:C2R)に移行し、現在、Microsoft Officeアプリ(リテール製品)および「Microsoft 365」アプリ(サブスクリプション製品)は、どちらも、アプリに組み込みの更新機能により、Officeコンテンツデリバリーネットワーク(officecdn.microsoft.com)から更新プログラムを受け取るようになっています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Windows 11登場! 11で変わること、思ったほど変わらないこと
新しいWindows OS「Windows 11」の正式出荷が2021年10月5日に開始された。Windows 10からの無償アップグレードが可能であるため、どのような新機能が実装されたのか気になる人も多いのではないだろうか。そこで、本稿ではWindows 11の新機能、削除された機能などを簡単にまとめてみた。 - Windows 11一般提供開始、企業での導入/展開時に注意すべきポイントは?
MicrosoftはWindowsデスクトップOSの最新バージョンである「Windows 11」を正式にリリースし、Windows 11対応ハードウェアを搭載したWindows 10デバイスに対して、無料アップグレードの段階的なロールアウトを開始しました。 - 買って、試して分かったWindows 365(契約・セットアップ編)
Microsoftからクラウド上でWindows 10が動く「クラウドPC」の利用可能なサブスクリプションサービス「Windows 365」の提供が開始された。早速、サブスクリプションを契約し、クラウドPCの設定を行ってみた。契約からセットアップまでで見えてきた便利な点、不便な点などをまとめてみた。 - いよいよ完全終了へ。Internet Explorer(IE)サポート終了スケジュール
長らくWindows OSに標準装備されてきたInternet Explorer(IE)。その「寿命」は各種サポートの終了時期に左右される。Windows OSごとにIEのサポート終了時期を分かりやすく図示しつつ、見えてきた「終わり」について解説する。