「スマート工場に必要なセキュリティ対策」について解説したドキュメントをIPAが公開:本社機能との関係やガバナンスの体制といった調整作業についても説明
IPAは「スマート工場化でのシステムセキュリティ対策事例 調査報告書」を公開した。実際にスマート工場を運用している国内のモデル事業者の実施内容を基に、具体的なセキュリティ対策を「具体性」「網羅性」「一覧性」という観点でまとめた。
情報処理推進機構(IPA)は2023年7月31日、「スマート工場化でのシステムセキュリティ対策事例 調査報告書」を公開した。これは、実在する先進的なスマート工場の事例を調査し、セキュリティ対策項目について整理したもの。
システムの組み方だけでなくガバナンスの体制などにも言及
DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)、クラウドサービスなどの先端技術などを活用した「スマート工場」への取り組みが進んでいる。その中でも特に重要なのがセキュリティの取り組みだ。
スマート工場は、工場のネットワークをインターネットや情報システムなどに接続する機会が増えるため、既存の工場設備も含めた工場システム全体のセキュリティ対策を検討する必要がある。
こうした課題に対して、IPAや経済産業省は「スマート工場のセキュリティリスク分析調査 調査報告書」「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」などを公開している。IPAによると今回の調査報告書は「(それらのドキュメントを踏まえた上で)具体的な対策を実施するための指針」という位置付けだ。
「具体性」「網羅性」「一覧性」という観点でまとめられており、実際にスマート工場を運用している国内のモデル事業者1社の実施内容と国内企業8社からのヒアリング内容を基に「より多くの企業が活用できるよう汎用(はんよう)化した」という。
例えば具体性についてはプリント基板の製造システムというモデル事例を例にシステム構成やスマート化の取り組みを紹介するとともに、本社機能との関係やガバナンスの体制といった調整作業についても説明している。
IPAは「これまでに公開されたフレームワークやガイドラインと、本調査報告書を使って工場のセキュリティ対策の実装を支援する」としている。
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