サイバーセキュリティ先進企業はより効果的にDXを実現する アクセンチュア調査:96%が人材不足の解消に自動化が役立っていると回答
アクセンチュアの「サイバーセキュリティレジリエンス最新レポート 2023」によると、サイバーセキュリティとビジネス目標の相関性が高い企業は、収益や市場シェア、顧客満足度などを向上させる可能性が、そうでない企業よりも18%高いことが分かった。
アクセンチュアは2023年8月3日、「サイバーセキュリティレジリエンス最新レポート 2023」を発表した。日本、アジア太平洋地域、欧州、北米、南米の14カ国15業種の企業(売上高10億米ドル以上)の経営幹部3000人を対象とした調査の結果をまとめたもので、サイバーセキュリティとビジネス目標の相関性が高い企業は、収益や市場シェア、顧客満足度、信頼性、従業員の生産性を向上させる可能性が、そうでない企業よりも18%高いことが分かった。
アクセンチュアでは、サイバーセキュリティに先進的に取り組んでいる企業を「サイバー・トランスフォーマー」と定義している。サイバー・トランスフォーマーは、今回の調査では30%を占めていた。これらの企業はサイバー攻撃に対する優れた耐性や事業成長に向けたサイバーセキュリティと、ビジネス戦略とのバランス感覚にたけており、先進的なリスクマネジメントを実践している割合が65%で、そうでない企業(11%)よりも約6倍高かった。そして、サイバーセキュリティの業務管理や人材不足に対処するため、Cyber Security as a Serviceを活用している企業の割合は、サイバー・トランスフォーマーの40%を占めた。
また、自社のインシデント対応計画にエコシステムやサプライヤーを組み込んでいるサイバー・トランスフォーマーの割合は45%。41%のサイバー・トランスフォーマーは、自社のエコシステムやサプライヤーに対して厳格なサイバーセキュリティ基準を満たすよう義務付けていた。
サイバー・トランスフォーマーの中には、自動化を推進している企業も多い。89%が積極的に自動化を推進しており、サイバーセキュリティを大幅に自動化している企業のうち96%は、人材不足の解消に自動化が役立っていると回答した。
アクセンチュアでテクノロジーコンサルティング本部のセキュリティ日本統括マネジング・ディレクターを務める藤井大翼氏は、「総務省が2023年7月に公開した令和5年度『情報通信白書』によると、日本に対するサイバー攻撃関連通信数は2015年の8倍を超えており、攻撃手法も年々高度化、複雑化している。セキュリティリスクへの対応と事業成長を両立させるためには、リスク戦略立案からオペレーション、改善までを一気通貫で対応し、ビジネスとシームレスにつなぐことが肝要だ」と述べている。
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