「GitHub Copilot Chat」β版公開 Visual StudioやVS CodeでAIペアプログラミングを支援:「GitHub Copilot for Business」ユーザーが対象
GitHubは、Visual StudioとVisual Studio Code(VS Code)で利用可能な「GitHub Copilot Chat」のβ版をGitHub Copilot for Businessユーザー向けに公開した。
GitHubは2023年7月20日(米国時間)、「GitHub Copilot for Business」ユーザーを対象にVisual StudioとVS Codeで利用可能なAI(人工知能)ペアプログラミングである「GitHub Copilot Chat」β版を発表した。
GitHub Copilot Chatは2023年初頭に発表されたGitHub Copilot Xの注目機能の一つ。GitHub Copilot Xでは、GitHubにおける開発者体験全体に生成AIや「GPT-4」の力をもたらすことを目的に、幾つかのテクニカルプレビューを発表していた。
GitHub CopilotはIDE(統合開発環境)上でのコンテキストを意識した会話型のAIアシスタントだ。開発者は簡単なプロンプトで複雑なタスクを実行できるという。
プログラミングの経験を問わず、全ての開発者にとってのアプリケーション全体の構築や膨大なコードのデバッグを、数日ではなく数分に短縮する。自然言語がコーディング体験に力を与える新しい時代への扉を大きく開き、これまでのソフトウェア開発を民主化し、開発者のチーム全体をより生産的なものにすると、GitHubは述べている。
GitHub Copilot Chatβ版を有効にするには
GitHub Copilot for Businessの管理者が、GitHub Copilot Chatのβ版を開発チームに提供する手順は、以下の通り。
- Organization管理者は、組織の設定ページで「Copilot」タブをクリックしてGitHub Copilotの設定を確認できる
- 「Policies」>「Copilot」>「Policies」で、管理者はGitHub Copilot Chatβ版の設定を開く
- GitHub Copilot Chat β版を全ユーザーに有効にするには、「Allowed」オプションを選択する。管理者は利用規約に同意したとみなされる。アクセスを許可できるのは、企業管理者がいないか、企業管理者のポリシーを「ポリシーなし」に設定して許可を与えた場合のみであることに注意が必要だ
Enterprise管理者は、Organization管理者に個々の組織の設定を構成する権限を付与したり、全ての組織に一律の設定を適用できる。Enterprise管理者は管理ページにアクセスし、「Policies」タブに移動して「Copilot」を選択する。全ての組織に対してCopilot Chat(β版)へのアクセスを許可または制限するか、「ポリシーなし」を選択してOrganization管理者に決定を委任するかのオプションが表示される。
管理者が規約に同意すると、組織内の全ユーザーはGitHub Copilot Chatβ版の使用を開始するのに役立つ詳細なインストール手順が記載された電子メールを受け取る。
開発者が生成AIにアクセスしやすくなるメリットは?
Stack Overflowの2023年開発者調査によると、開発者の63%が答えや解決策を探すのに1日に少なくとも30分、最大2時間を費やしていると回答した。その間、顧客のために創造性を発揮したり、新しいソリューションを革新したりすることはできない。
言語、クラウドコンピューティング、プログラミング言語、フレームワーク、CI/CDワークフロー、オープンソースソフトウェア、パッケージマネジャー、サービスなどが爆発的に増加する中、開発者が集中して作業に没頭することはこの20年間でますます困難になっていると、GitHubは述べている。
GitHubは、開発者が最も重要なことに時間を費やせるよう支援したいと考え、GitHub Copilot Chat を通じてコード提案だけでなく、質問や説明、コードのプロンプトを受けられるようにした。
Visual StudioやVS Codeで利用できるGitHub Copilot Chatの機能
Visual StudioやVS Codeで利用できるGitHub Copilot Chatの主要機能は次の通り。
- パーソナライズドアシスタンス:開発者にコンテキスト固有のサポートを提供
- リアルタイムのガイダンス:コーディングの課題に合わせたベストプラクティス、ヒント、ソリューションをリアルタイムで提案する
- セキュリティ問題の修正:修復のための提案により、セキュリティスキャン中に見つかる脆弱(ぜいじゃく)性の数を低減する
- コード分析:コードの解析や評価を行い、開発者が特定のコードブロックやコードスニペットの動作や意図を理解できない場合に質問すれば、複雑な概念を解説する
- 簡単なトラブルシューティング:問題の特定だけでなく、提案、説明、代替アプローチも提供する
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