「原則テレワーク」は4.7%まで減少 パーソル総合研究所が2023年7月のテレワーク実態調査結果を発表:8割のテレワーカーは「テレワークを継続したい」
パーソル総合研究所は、テレワークの実態調査の結果を発表した。2022年2月をピークにテレワーク実施率は低下したが、テレワーカーのテレワーク継続意向は8割と調査開始以降、最も高い割合となっている。
パーソル総合研究所は2023年8月15日、テレワークの実態調査の結果を発表した。それによると、企業規模にかかわらず、全ての企業においてテレワーク実施率が低下していることが分かった。
2020年4月以降で最低のテレワーク実施率
2023年7月のテレワーク実施率は正社員が22.2%、非正規雇用が13.9%で、2020年4月以降で最も低かった。非正規雇用を雇用形態別に見ると、契約社員・嘱託社員は12.4%、派遣社員は16.4%、パート・アルバイトは9.8%。公務員・団体職員は12.9%だった。
新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行した2023年5月8日以降、テレワーク実施日数は平均で0.61日/週。テレワークを「実施していない」と回答した企業は75.1%を占めた。
テレワークを実施していない理由で最も多かったのは「テレワークではできない業務」で40.4%(複数回答、以下同)だった。次いで、「テレワーク制度が整備されていない」(33.7%)、「会社がテレワークに消極的で実施しにくい」(10.8%)と続いた。企業規模別に見ると、従業員1万人以上が35.4%、1000〜9999人が31.3%、100〜999人が20.4%、10〜99人が12.5%。全ての規模の企業で、2022年2月をピークにテレワーク実施率が低下していた。
テレワークに関する企業方針については「特に会社からの指示無し」(63.1%)が最も多く、「原則テレワーク」は4.7%にすぎなかった。ただテレワーク実施者のテレワーク継続意向は強く、81.9%が「テレワークを続けたい」(続けたい、やや続けたい)と回答した。
パーソル総合研究所の小林祐児氏(上席主任研究員)は、「2022年から続くテレワーク実施率のダウントレンドは、新型コロナウイルス感染症の第5類への移行後、さらに顕著だ。テレワーカーのテレワーク継続意向が8割を超えている実態と併せて考えると、企業は自社の人材獲得力とのバランスを考慮する必要がある。なし崩し的ではなく戦略的にテレワークを使いこなすため、従業員と積極的にコミュニケーションすべきだ」と述べている。
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