キャリアの節目は3年目にやってくる たとえ配属ガチャで当たりを引いても:1年目からキャリアが固まっている人はいない(1/3 ページ)
配属ガチャで「当たり」を引いた。それはハズレのないクジのようなものだった。だが3年たったころ、徐々に迷いが生じてきた――。
新開皇紀(しんかい こうき)さんは、新卒入社4年目のソフトウェア開発エンジニアである。
現在は、日立ソリューションズのポイント管理システム「PointInfinity」の開発部署で活躍している。しかし入社時に配属されたのは今とは違う部署で、1年前に異動を願い出た。
「“配属ガチャ”にハズれた?」と思うかもしれないが、そうではない。なぜなら入社時の配属は、もともと新開さんが希望していた部署だったのだ。むしろ当たりを引いたといっていいだろう。
ところが3年という年月を経るうちに、視野が広がり、考え方も変化していった。その結果、心が動いたのだ。
学生時代に目覚めたものづくりの面白さ それは目的か手段か
新開さんは、高知工科大学情報学群の出身。コンピュータサイエンスを専攻し、学生時代はプログラミングやシステム作成を学んだ。
「もともとCGを学ぼうと思って同校を選んだのですが、途中からプログラミングの面白さにハマっていきました」
きっかけは授業でプログラミングに触れたことで、「パズルを解くような達成感」が面白くなっていった。
「学生時代は、アプリを作ったり、ゲーム情報学の研究室に入って、ボードゲームをAI開発したりしました。オープンキャンパスで来場者に自分の作品を触れてもらったときに思った以上に反響があり、うれしくなりました」
ゲーム制作の楽しみにすっかり目覚めた新開さんは、就職活動でもゲーム開発者の道をめざした。だが、ゲーム系の開発会社は狭き門で、のきなみお祈りを食らってしまった。そして、就職先が決まらないまま大学4年生の5月を迎えた。
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