デベロッパーアドボケイトの役割、責任とは何か？：開発者を守り、支援する

デベロッパーアドボケイトは、特定のソフトウェア製品を開発する人とそれを使用する人の両方と話し、意見を聞くため、特別な有利な立場にある。デベロッパーアドボケイトの責任と、結果を達成するために役立つ方法を検討する。

[Matt Heusser，TechTarget]

　デベロッパーアドボケイトは、特定のソフトウェア製品を開発する人とそれを使用する人の両方と話し、意見を聞くため、特別な有利な立場にある。デベロッパーアドボケイトの役割は、教師でもあり、聞き手でもあり、問題解決者でもあり、プログラマーでもある。

　デベロッパーアドボケイトの立場について考える良い方法は、「デベロッパーアドボケイトはどのような問題を解決できるのか？」と尋ねることだ。結局のところ、その役割のビジネス上の理由が満たされていない場合、どれだけ教えたり、話を聞いたり、問題を解決したりしても、大きな違いは生じない。本稿では、デベロッパーアドボケイトの責任と、結果を達成するために役立つ方法を検討する。

デベロッパーアドボケイトの役割と責任

　デベロッパーアドボケイトの使命は、広範な採用と強力なピアサポートの創出を支援することだ。この場合の「サポート」とは、社外の人がソフトウェアを使用することを意味している。デベロッパーアドボケイトはソフトウェアが大好きで、ブログを書いたり、講演したり、サポートフォーラムに参加したりしている。

　デベロッパーアドボケイトは、全ての答えを持っている人であることが重要であると感じるかもしれないが、1人の担当者だけで全ての顧客をサポートできるようにすることは不可能だ。だからこそ、ティーチング、コーチング、メンタリング、説明が重要だ。相手がそのツールを採用するだけでなく、他の人をサポートするようになるからだ。

　これを行う幾つかの方法を紹介する。

サポートコミュニティーを開発する

　この役割はデベロッパーアドボケイトに欠かせない。顧客が他の顧客と交流することで製品について学べるオンラインの場所を見つける。一部の企業は、レピュテーションポイントを使用してソーシャルメディアサイトを作成することまでしている。コンサルタントとのパートナープログラムを行っている企業もあり、それらの関わりが顧客との資金提供プロジェクトにつながる可能性がある。開発者向けのスタイルのカンファレンスでは、そのエコシステムで働く人々が一緒に時間を過ごすことができる。

ツールに依存しないコミュニティーに影響を与える

　インターネット上には、そして現実の世界にも、ブランドとは関係なく職人たちが集まって自分の仕事について話す場所が多くある。企業はスポンサーシップやブースを通じてこのようなイベントに参加することができる。デベロッパーアドボケイトは、技術スタッフが集まる場所で専門知識を披露する必要がある。これは、顧客をブランドのツールに誘導する可能性がはるかに高く、デベロッパーアドボケイトのビジネス価値につながる。この取り組みは、使用している製品に関係なく、一般的な問題の解決方法についてインターネットの掲示板にコメントを投稿するのと同じくらい簡単だ。テストに関しては、テストデータを管理する方法や、自動化ツールのパスワードを安全に保存する方法などが考えられる。

チュートリアルと概念実証を行う

　技術マニュアルから実用的なソフトウェアに移行することは、見た目よりも難しい場合がある。優れたチュートリアルは、ソフトウェアを使用してもらうのに役立つ。ユーザーの時間を節約するようなモデルケースを作成し、それを無料トライアルと結び付けると、突然ツール自体に大きな関心が集まるかもしれない。

映像を作成する

　映像を作成すれば、ユーザーは入力したり、一時停止したり、巻き戻したりして繰り返し見ることができる。5分間の「すぐに使える」動画デモもいいが、映像を2回視聴することで、データベースをサポートするアプリケーションを顧客が作成することも支援できる。

ブログ、ポッドキャスト、書籍、カンファレンス

　これらは全て、デベロッパーアドボケイトが世界と交流する機会といえる。これにより、開発者の支持者はブランドのストーリーを提示するだけでなく、顧客の意見に耳を傾け、機能のアイデアを収集し、経営陣と共有できるフィードバックを聞くことができる。

デベロッパーアドボケイトがビジネス上の問題を解決する方法

　デベロッパーアドボケイトの仕事は、Webサイトや技術文書とは異なる方法で、より良い方法で技術者に情報を提供する。また、エンドユーザーと経営陣の間にコミュニケーションも生まれる。今後何が起こるかについて議論するブログ投稿が否定的なコメントでいっぱいの場合、デベロッパーアドボケイトはその情報を製品所有者や上級管理者に伝えることができる。このための正式なチャネルはあるが、デベロッパーアドボケイトは通常、開発者を守り、コミュニティーによって機能変更が拒否された場合に機能変更を求めるロビー活動を行うことができる、より中立的で冷静な当事者と見なされている。

　デベロッパーアドボケイトは通常、マーケティング部門に属するが、作業者は適切な技術的知識を持っている必要がある。つまり、作業を実行し、他の人にその作業を教えることができる必要がある。

デベロッパーアドボケイトが必要なときは

　取り扱う製品について市場で混乱がある場合、特にそれがプログラマーや技術スタッフを対象とした製品である場合、デベロッパーアドボケイトが特に役立つ可能性がある。彼らは、マーケティング戦略とストーリーのギャップを埋め、メッセージがより確かに聞こえるようにするのに役立つ。彼らは市場で製品を主張したり、顧客のライン管理を主張したりできる。

　だからといって、会社が誰かにデベロッパーアドボケイトの役割をフルタイムの仕事として与える必要があるというわけではない。誰か、または小さなチームがこれらのタスクを引き受け、それをうまく遂行すると、企業の評判が高まる。下手をすると混乱が生じ、多少の火花は出るかもしれないが、あまり火はつかない。違いは、選ばれた人の質、その指導と方向性、そして最終的には製品自体の価値だ。