日本でCNCF公認のコミュニティーが発足、日本の技術者がグローバルで活躍できるように：2023年12月には発足記念イベント

クラウドネイティブ技術を推進するグローバル団体Cloud Native Computing Foundation（CNCF）の日本における公認コミュニティーが設立された。ゆくゆくはグローバルなCNCFの場で活躍できるエンジニアを日本から輩出したいという。

[三木泉，＠IT]

　Linux Foundationは2023年11月8日（日本時間）、日本の有志が「Cloud Native Community Japan（CNCJ）」を立ち上げたことを発表した。オープンソース（OSS）のクラウドネイティブ技術を推進するCloud Native Computing Foundation（CNCF）の日本における正式コミュニティーとして活動する。

　CNCJ発足の背景には、CNCFを中心としてグローバルで急速に進むクラウドネイティブ技術の開発と日本の現状との乖離（かいり）があるという。

CNCJのホームページ

　CNCFにはメガクラウドをはじめとした多数の企業がメンバーシップやイベントのスポンサーという形で投資し、その活動をサポートしている。そして、CNCFの場で行われるオープンソースでの技術開発に積極的に参加し、コントリビューションするとともに、自社のプロダクトに取り入れる好循環が回っている。

　一方で、日本企業からのコントリビューションは限定的で、CNCFのイベントでの登壇数も少ないなど、クラウドネイティブの技術開発に貢献できていない。

　こうした現状を変えるため、日本の企業、団体、コミュニティーとCNCFをつないでクラウドネイティブの普及促進を図るとともに、コントリビューションや技術革新を促すのが設立の目的だという。

　発起人の一人である中村雄一氏（日立製作所 OSSソリューションセンタ 担当部長）は、「CNCFのアップストリームの動向やコントリビューション事例を共有する場としてミートアップを開催し、日本の技術者がグローバルコミュニティーで活躍できる道筋を示していく。ゆくゆくはCNCFのTOC（Technical Oversight Committee）やTAG（Technical Advisory Group）を担えるようなメンバーを日本から輩出したいと考えている」とコメントしている。

CNCFと日本をつなぐ活動を展開

　CNCJの発起人は中村氏の他、青山真也氏（サイバーエージェント）、太田航平氏（Apple）、武藤周氏（NECソリューションイノベータ）、福安徳晃氏（Linux Foundation）。

　同コミュニティーではさまざまなミートアップやイベントを開催していく。こうした機会を通じ、CNCFの活動の動向やOSSプロジェクトの最新情報を伝え、コントリビューションを促進する活動を進めていくという。

　2023年12月1日には、東京でキックオフミートアップをリアル開催する。CNCFのCTOであるクリス・アニズィック（Chris Aniszczyk）氏が参加の予定。このミートアップやCNCJに関する情報は、公式ホームページで見ることができる。