AIを“敵”ではなく“相棒”にするための基礎知識:「AI/Automation for System Engineers」ライブ配信セミナー基調講演レポート(1/3 ページ)
AIはエンジニアから仕事を奪うのか?――生成AIへの期待値の高まりとともに、改めてAIとの向き合い方が問われている。仕事でAIを使うことが当たり前になる時代に、エンジニアはどう振る舞うべきか。@ITが開催したセミナーからそのヒントを探る。
過去に何度かの“ブーム”を繰り返してきたAI(人工知能)に対する期待が、今、再び加熱している。直近の火付け役となったのは、「ChatGPT」をはじめとする「生成AI」だろう。ビジネス領域では、生成AIが「生産性向上の特効薬」としてもてはやされる一方で、生成物の品質や信頼性など課題もあり、議論が続いている。
ただ、こうした議論が進む間にも日々、技術的な問題は解決され、法律上、倫理上のルール整備が進んでいる。近い将来には、あらゆる業種、職種で働く人々が生成AIの存在を意識せざるを得ない状況になるだろう。もちろん、ITシステムの開発や運用に関わるITエンジニアも例外ではない。仕事の中に当たり前のように入り込んでくるAIに、エンジニアはどう向き合うべきか。
@ITが2023年11月24日に開催した、ライブ配信セミナー「AI/Automation for System Engineers 〜エンジニアに優しいAI/自動化〜」にて、アクセンチュアの南 昌宏氏(ビジネス コンサルティング本部 AIグループのシニア・マネジャー)は、ITエンジニアがAIを「良き相棒」とするための向き合い方を示した。
これからの市場で生き残るために「AI」の活用は不可避
アクセンチュアが1500社の企業に対して実施したAI活用に関する調査結果によると、AI活用に成功している企業において、3つの財務評価(企業価値/収益率、株価収益率、株価売上倍率)に「正の相関性が認められた」という。
「AI活用への意識」については、「成長目標を達成するためにAIを活用すべき」「次の5年間にAIを活用しないことがビジネスリスクにつながる」「パイロット実施方法は分かるが、AIを前者にスケールさせることに苦戦している」といった質問において、グローバルと日本の経営者で回答の傾向が似通っていた。
「AI活用の必要性については、グローバルと日本を比べても経営者の意識に大きな差はない。必要性を認識している一方で、導入や社内でのスケールに苦戦している点も共通している」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2024年には企業のAI導入が鈍化する? IDCが生成AIや自動化に関する未来予測を発表
IDCは、2024年以降の世界におけるAI、生成AI、自動化に関する予測を発表した。それによると2027年には、全世界でAIソリューションの支出が5000億ドル以上になるという。 - IBM、2024年に注目すべき9つのAIトレンドを解説
IBMは、2024年に注目すべき最も重要な9つのAIトレンドを公式ブログで解説した。 - 経済産業省が「国内の生成AIの開発力を強化するプロジェクト」を開始
経済産業省は、国内の生成AIの開発力強化に向けたプロジェクト「GENIAC」を開始する。「基盤モデル開発に必要な計算資源に関する支援や関係者間の連携を促す」としている。