セキュリティアプライアンスの総市場収益は2023年で176億ドルに、前年比約9億ドル増加 IDC:アジア太平洋地域では前年同期比4%減
IDCは世界のセキュリティアプライアンス市場に関する調査結果を発表した。総市場収益は2023年通年で176億ドルに達し、前年比8億6800万ドル増加した。
IDCは2024年3月7日(米国時間)、世界のセキュリティアプライアンス市場に関する調査結果を発表した。総市場収益は2023年通年で176億ドルに達し、前年比8億6800万ドル増加した。
2023年の第4四半期は比較的横ばいで、総市場収益は前年比0.8%増の49億6000万ドルとなり、同四半期のセキュリティアプライアンスの出荷台数は合計120万台だった。
「セキュリティアプライアンス市場は依然としてサイバーセキュリティ投資における重要な要素といえる。2023年にかけて、AI(人工知能)機能の導入または強化、スループットとエネルギー効率の向上など、パフォーマンスが強化された新製品群がリリースされたことで、顧客は予算効率を高めることができた」と、IDCで調査シリーズ「Enterprise Tracker」を担当するリサーチマネージャーのカルロ・ダビラ氏は述べている。
地域別のハイライト
地域別の観点から見ると、2023年第4四半期に南北アメリカ地域は前年同期比5.1%の総市場収益成長を達成し、アジア太平洋地域における4%の減少を相殺した。ヨーロッパ、中東、アフリカ地域(EMEA)では、中央および東ヨーロッパ地域で市場総収益が前年同期比15.1%増加した一方、西ヨーロッパは4.6%増加し、中東およびアフリカ地域は17.7%減少した。アメリカ大陸では、カナダ(前年比10.4%成長)とラテンアメリカ(7.6%成長)が2023年第4四半期に大幅な収益成長を遂げた。
IDCはセキュリティアプライアンスの分類を更新し、これらの変更を2023年の第1四半期に適用した。これにより、IDCが定めた新しいハードウェア市場の観点のうち、レポート対象にならないソフトウェアやサービスに関連する収益が削除され、レポート上では市場の規模が縮小した。
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