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「教育DX」はありがたい……けどツラいこともある“4つの課題”を考える

アプリを消すと、記録も消えてしまうのね。

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 春ですね。この4月にお子さんが進級、進学されるご家庭も多いのではないでしょうか。

 最近は、学校や保育園などと保護者間の連絡ツールもデジタル化してきているようです。筆者には保育園児と小学生の子どもがいますが、それぞれの園と学校で連絡帳アプリなどが導入され、デジタル化が進み始めています。

 これまで紙や電話で連絡する必要があったものが、スマホからササっと入力できるのは、ラクでありがたいのですが、課題に感じることもあり……。今実感している問題を、4つほど挙げます。

アプリ多過ぎ!

 まず、アプリが多過ぎて混乱してしまいます。

 筆者のスマホを開くと、子ども連絡用フォルダにアプリが5つ入っています。子どもは2人で、通っているのは小学校1カ所、保育園1カ所だけなのですが。

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小学校用3つ、保育園用2つで合計5つのアプリが

 まず小学校用に、2023年度に使っていた連絡アプリ、2024年度から使う連絡アプリ。そして学童用アプリの合計3つ。

 小学校の連絡アプリは2024年度から区全体で切り替わるそうで、3月の保護者会で新しいIDが配られ、インストールし直しました。3月現在は2023年度、2024年度両方のアプリが入っています。さらにもう1つ、学童用のアプリは2024年度から新たに導入されることになりました。

 保育園用には、数年前まで使っていたアプリと、その後切り替えられて現在も使っているアプリが入っています。数年前までのアプリを残しているのは、当時の連絡帳データを保管しておくため。連絡帳には園での子どもの様子が細かく書かれており、その記録を消したくなくて。

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こういう内容は捨てたくないですよね

 わが家は2人の子どもで5アプリですが、3人以上子どもがいらっしゃる方はもっとたくさんのアプリを利用せざるを得ない状態かもしれません。

 園や学校で今後またアプリの入れ替えが起きる可能性はあります。そのたびにインストールし直してIDを作り直し、UI(ユーザーインタフェース)に慣れ、過去の記録をどう保存しておくかを考えることになるのは面倒だなあと思います。

紙と二度手間

 デジタル化が進んできたとはいえ、紙での連絡はまだまだ残っています。例えば、保護者会の出欠や給食便り、教材の購入申し込みなどは、学校も園も紙のまま。結局、アプリと紙両方をチェックする必要があります。

 小学校の学童では、アプリ導入後も紙の連絡帳を残すそうです。アプリで個人情報のやりとりができないため、イベントの出欠確認などは紙でするらしく。アプリと紙両方の運用は、学童の先生にとってもかえって負担では……と心配です。

アプリは紙より「見ない」

 アプリからの連絡事項は、紙より見落としやすいという問題も感じています。大量に届くメルマガを開かないまま放置してしまう感覚に近いかもしれません。

 保育園では2023年度から、紙で配られていたクラス便りがアプリに切り替わり、PDFでダウンロードして読む形になりました。紙のころは、子どもの持ち物をチェックするときに必ず目に付いたのですが、アプリになると、通知を見てURLをタップしてPDFをダウンロードし、拡大して読む……という手間が必要になり、忙しいタイミングで配信されるとついつい見落としてしまいます。

 さらに、最近のアプリアップデートで“改悪”がありました。お便りのPDFがアプリ内で見られなくなり、スマホの「フォルダ」アプリに保存されるようになったのです。

 連絡帳アプリでお便りをダウンロードした後、フォルダアプリを開き、該当のファイルを探してタップし、ようやくお便りが見つかる……という仕様。面倒過ぎて開く機会は減りましたし、ママ友からは、「お便りがどこにあるのか分からなくなった」という声も聞きました。

システム障害時は“人手”で二重化

 まれにですが、システム障害により一斉に連絡不能になる……ということも起きます。そういうときはアナログに回帰し、電話などで連絡することになりますが、先生方の負担も心配です。

 「紙や電話の方が良かった」と言いたいわけではありません。出欠や遅刻、早退の連絡をアプリでできるようになったのは、本当に便利だなあと感じています。とはいえまだまだ過渡期で、これから改善していくべきことがたくさんあるなあ、というのが現時点での実感です。

 今後、もっと便利でラクになりますように!

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