プログラミング言語の人気ランキング、TypeScriptが上昇、C++は下落 RedMonk調べ：12年間分の推移も分かる

RedMonkは2024年第1四半期のプログラミング言語の人気ランキングを発表した。JavaScript、Python、Javaがトップ3を占めた。TypeScriptが順位を1つ上げた一方、C++が順位を1つ下げた。

[＠IT]

　ソフトウェア開発業界を対象とした調査会社RedMonkは2024年3月8日（米国時間）、2024年第1四半期のプログラミング言語の人気度ランキングを発表した。

　このランキングは、プロジェクトホスティングサイト「GitHub」の利用状況と、開発者向けQ＆Aサイト「Stack Overflow」で話題になっている件数をそれぞれ調査した結果を基に2つのランキングを作成し、総合したもの。

　調査の目的はプログラミング言語の利用状況を統計的に表現することではなく、2つの主要な開発者コミュニティーにおけるプログラミング言語の利用方法と議論状況を相関させ、今後の採用動向に関する洞察を得ることにあると、RedMonkは説明している。

　RedMonkは、GitHubの利用状況（プロジェクト数）に基づく人気度ランキングを横軸に、Stack Overflowで話題になっている件数（タグの出現回数）に基づく人気度ランキングを縦軸に取って、個々のプログラミング言語をプロットした結果を下の図のように示した。

プログラミング言語ランキング（2024年第1四半期）（提供：RedMonk）

2024年第1四半期のプログラミング言語ランキングTop 20

　RedMonkは前の図で示された最も右上にあるプログラミング言語から順に左下に向かって上位20のプログラミング言語を選び、ランキングしている。

プログラミング言語人気ランキング1〜20位（2024年第1四半期）（提供：RedMonk）

　RedMonkは「生成AI（人工知能）によるコーディングアシスタントの登場で、新しい言語の採用がしやすくなり、順位変動が起きると予想していたが、2024年第1四半期の言語ランキングでは、そうした傾向は見られなかった」と述べている。

　RedMonkは、幾つかの言語を取り上げ、次のようにコメントしている。

Go

　2022年第1四半期のランキングでは、Goは勢いを失い、16位まで下落した。その後の2年間で12位まで上昇し、R言語と並んでいる。人気上昇の明確な理由は不明だ。とはいえ、Goのアクセシビリティー、デザイン、パフォーマンスが、バックエンド開発言語として受け入れられている証拠といえるだろう。

TypeScript

　Swiftに次ぐTOP 10入りを果たして以来、TypeScriptは注目言語の一つだ。TypeScriptはこの四半期で順位を1つ上げて、安定した成長を続けている。業界がセキュリティに関心を増す中で、TypeScriptがさらに成長する可能性は高い。

C++

　言語ランキングを初めて発表したとき、C++は7位だった。5位まで上昇したこともあるが、ここ数年は7位で安定していた。今回のランキングで発表以降初となる8位に転落した。TOP 10に含まれる言語は他の数百の言語より人気があることは確かだ。だが、GoやRustのような、よりモダンでアクセシビリティーのある低水準言語の流入に対して、C++が人気を維持できるのか、疑問の余地はある。

Dark、Kotlin、Rust

　これら3つの言語は、いずれも他の言語を追い越してランキング入りを果たしたが、TypeScriptのように上昇軌道に乗ることはできていない。そして、Zigのような別の言語との競争も始まっている。

Bicep（86位）、Grain、Moonbit、Zig（97位）

　これらの言語は技術的に似ているわけではないが、興味がある言語のリストに含まれている。Zigは、C++からRustまで、先行する低水準言語から着想を得ている。GrainとMoonbitは、WebAssemblyに最適化されているため、リストに含まれている。Bicepは、クラウドDSL（Domain Specific Language）としては意外な頻度かつ順位でランクインしている。

　現在ランクインしているのは4つの内2つだけだが、これらの言語やその他の新しい言語がランクイン入りするのか、注視している。

2012〜2024年のプログラミング言語ランキングの推移

　RedMonkは、2012年から2024年第1四半期までのランキング上位20言語の推移を、下の図に示している。

2012年から2024年第1四半期までのランキング上位20言語の推移（提供：RedMonk）