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「OpenWallet Forum」創設へ 相互運用可能なデジタルウォレットの開発と普及を目指すパスキーやデジタルのカード、チケット、鍵などをまとめて管理

国際電気通信連合とLinux Foundationは、相互運用可能なデジタルウォレットに関するマルチステークホルダーの協力と議論を促進するため、「OpenWallet Forum」を創設する意向を発表した。

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 国際電気通信連合(ITU)とLinux Foundationは2024年5月28日(スイス時間)、相互運用可能なデジタルウォレットに関するマルチステークホルダーの協力と議論を促進するため、「OpenWallet Forum」を創設する意向を発表した。発表は、スイスのジュネーブで開催された「World Summit on the Information Society(WSIS)+20 Forum High-Level Event 2024」で行われた。


デジタルウォレットの概要(提供:OpenWallet Foundation

 OpenWallet Forumは、Linux FoundationとITUによって運営され、各国政府がデジタルウォレットに取り組む標準化団体や企業と関わるためのプラットフォームを提供する。

 ITUとLinux Foundationの新たな協力関係は、OpenWallet Foundationの成功の上に築かれる。2023年2月設立のOpenWallet Foundationは、引き続き開発者の力を結集し、安全で相互運用可能なウォレットのためのオープンソースソフトウェア(OSS)を開発する取り組みを推進する。

 OpenWallet Foundationが安全で相互運用可能なウォレットの中核的なオープンソースコンポーネントをホストし、ITUがマルチステークホルダーの協力を支援する一方、UNICC(国際計数センター)とLinux Foundationが共同で、OpenWallet Foundationの全Gitベースのソースコードリポジトリにおける完全なミラーを提供することになっている。

 この協業により、これらのソフトウェアを世界のユーザーが入手できるようになる。さらに、UNICCのパートナーや関連組織からのソフトウェア貢献をOpenWallet Foundationのリポジトリに取り込む経路も確保される。

 OpenWallet Forumへの参加に関する詳細情報は、創設日が近づいた段階でOpenWallet FoundationとITUが発表する。

 ITUの事務総長ドリーン・ボグダンマーティン氏は、「デジタル公共インフラはどこであっても重要だが、発展途上国では特に重要だ。われわれは、グローバルに相互運用可能なウォレットの開発と普及に向けたマルチステークホルダーコラボレーションの推進を楽しみにしている」と述べている。

 また、Linux FoundationのCEOジム・ゼムリン氏は、「Linux Foundationは、OSS、ハードウェア、標準およびデータに関するコラボレーションの世界的な拠点として、デジタル公共インフラに深い関心を寄せている。ITUおよびUNICCとの協力は、公共財としてのオープンソースの発展における重要なビルディングブロックだと考えている」と述べている。

 なお、2024年5月29日(日本時間)にはNTTドコモの子会社でWeb3の社会実装を推進するNTT Digitalが、OpenWallet Foundationに同年6月1日に加盟すると発表した。同団体への加盟は日本の民間企業では初めてだという。

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