2024年4月の新人が「上司に期待すること」のトップは? リクルートマネジメントソリューションズが調査結果を発表:最下位は「部下に仕事を任せること」
リクルートマネジメントソリューションズは「新入社員意識調査2024」の結果を発表した。働く上で大切にしたいことを見ると、「確実性」を大切にする層と、「挑戦性」を大切にする層とに二極化していることが分かった。
リクルートマネジメントソリューションズは2024年7月2日、「新入社員意識調査2024」の結果を発表した。この調査は、リクルートマネジメントソリューションズが提供する公開型新入社員導入研修「8つの基本行動」の受講者741人と、インハウス型新入社員導入研修およびWeb学習プログラムの受講者1775人を対象に実施したもの。それによると、仕事をする上で重視したいことのトップは「成長」、最下位は2023年に続いて「競争」だった。
新人は「自分の市場価値を上げたい」と思っている
働く上で大切にしたいことを見ると、トップは「社会人としてのルール、マナーを身に付けること」で45.2%(複数選択、以下同)。2019年の調査以降、「仕事に必要なスキルや知識を身に付けること」が連続1位だったが、トップが入れ替わった。
「任せられた仕事を確実に進めること」(39.4%)と「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」(31.0%)の回答率は、調査開始以来最も高かった。これら2つの項目は内容が相反するが、この2つの項目を選択した対象者の回答傾向を見ると、両方ではなくいずれかを選択している割合が高い。リクルートマネジメントソリューションズは「『確実性』を大切にする層と『挑戦性』を大切にする層に二極化している」と分析している。
働きたい職場の特徴を見ると、トップは調査開始以来変わらず、「お互いに助けあう」(64.1%、複数回答、以下同)だった。「遠慮をせずに意見を言い合える」と回答した人の割合は、10年前と比べて9.8ポイント増の45.8%で、過去最高だった。それに対して「アットホーム」(36.4%)は過去最低。トップ2の項目を選択した人は、どちらかではなく両方を選んでいる割合が高く、「助け合う」と「遠慮をせずに言う」の両立を求めている傾向が見られた。
上司に期待することを見ると、1位が「相手の意見や考え方に耳を傾けること」(50.3%、複数回答、以下同)、2位が「一人一人に対して丁寧に指導すること」(45.9%)だった。一方で、最下位は「部下に仕事を任せること」(5.0%)だった。
仕事をする上で重視したいことでは「成長」(32.2%、複数回答、以下同)と「貢献」(23.1%)が上位を占めた。「成長」と「貢献」は例年通りだが、3位に「専門性」(19.7%)が入っている。
リクルートマネジメントソリューションズは「昨今の生成AI(人工知能)の台頭やジョブ型雇用の潮流、転職が当たり前の労働環境の中で、自分自身の市場価値を上げたい、将来性のある職業で専門性を身に付けたいという危機感がある」と分析している。
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