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「自分が知らない、自分」を知ると、未来のキャリアが見えてくる仕事が「つまんない」ままでいいの?(114)(1/3 ページ)

人生100年時代や、未来の見通しが立てにくい中「キャリアの主体性が大切」といった言葉を見聞きするようになりました。言葉の意味は分かります。でも、具体的にどうすればいいのかが分からない。その答えは、未来よりも、過去にあるようです。

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 皆さんは、エンジニアとして「長く活躍したい」と思いますか?

 近年、人材育成や人事領域に関わっている人の中で「キャリアオーナーシップ」という言葉が注目を集めています。分かりやすく言えば「キャリアの主体性」ですね。

 注目を集めている理由は、人生100年時代と言われ、いままでより長く生きる(≒長く働く)現在の状況や、以前よりも社会が流動的で、未来の見通しが立てにくい中で、自分のキャリアに対して「主体的に考えていくことが大事だよね」と皆が考えるようになったことです。

 ですが、キャリアの主体性の大切さは理解できるものの、「どういった状態なら、キャリアの主体性があるといえるのか?」「具体的にどうすれば、キャリアの主体性が高められるのか?」は、案外、難しい課題だなぁ……と思うのです。

自分戦略研究室の目的から読み解く

 そういえば、この連載が掲載されている「@IT自分戦略研究所 自分戦略研究室」というコーナーのトップページには、「ITエキスパートの自律的な人生設計応援」という言葉が記されています。

 この「自律的な人生設計」も、言葉は違えど、先ほどの「キャリアの主体性」と同じ意味ですよね。

 そこで、自律的な人生設計という言葉を頼りに、「キャリアの主体性がある状態」をかみ砕いてみたいと思います。

 まず、「自律」についてです。「じりつ」という読みの漢字には、「自律」の他に「自立」もあります。自立とは、誰かや何かに過度に依存せずに、精神的にも金銭的にも独り立ちできている状態。自律とは、自立した状態を維持するために、自らを律することだといえそうです。

 もう一つの「人生設計」は、「将来は、○○していこう」とか「○○のころには、□□ができるようになっているといいな」のように、これから歩んでいく未来に対する設計図だといえます。

 そう考えると、キャリアの主体性は「精神的にも金銭的にも独り立ちする」「そのために、どんな未来を描くか」がポイントになってくるようです。

 とはいえ、起業した経験がある僕にとって、「精神的にも金銭的にも独り立ちできていて、それを維持している」ということが、容易だとは思えません。仮に「未来が描けても」です。その結果「意味は分かる。でも、どうすればいいの?」になっているんじゃないか、と。

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