生成AI「Amazon Q Developer」で社内のライブラリやAPIに基づいた説明、提案が可能に 対応言語やセキュリティは？：AWS、カスタマイズ機能のプレビュー版を提供開始

AWSは開発者向け生成AIアシスタント「Amazon Q Developer」において、カスタマイズ機能のプレビュー版の提供を開始した。カスタマイズ機能を利用することで、社内のライブラリ、API、パッケージ、クラス、メソッドに基づいた説明やコード提案が受けられるという。

[＠IT]

　Amazon Web Services（AWS）は2024年7月10日（米国時間）、開発者向け生成AI（人工知能）アシスタント「Amazon Q Developer」において、カスタマイズ機能のプレビュー版の提供を開始した。

　Amazon Q Developerは、生成AIアシスタント「Amazon Q」の開発者向けバージョンであり、「JetBrains」「Visual Studio Code」「Visual Studio」などの統合開発環境（IDE）で利用できる。

　新しいカスタマイズ機能により、開発者は自社の内部ライブラリ、API、パッケージ、クラス、メソッドに基づいた説明や、コード提案が受けられるようになるという。

　AWSは「このカスタマイズ機能は、RAG（Retrieval-Augmented Generation：検索拡張生成）などの先端技術に基づいて構築されている。開発者はIDE内でコードの一部を選択し、選択したコードが何をするのか説明するようにチャットで求めることができる。『データベースに接続して特定の顧客のcustomeridを取得する方法は？』といったように、自社のコードベースに関する質問も可能だ」と述べている。

Amazon Qのサポート言語全てには未対応、現状の対応言語は？

　このカスタマイズ機能は現在、Java、JavaScript、TypeScript、Pythonで記述されたコードベースに対応している。Amazon QがサポートしているC#、Go、Rust、PHP、Ruby、Kotlin、C、C++、Shell Script、SQL、Scalaなど他の言語で記述されたファイルは利用できないという。

データセキュリティ

　AWSによると、Amazon Qで共有されるコードベースは自社内に限定され、基盤モデルの学習に使用されることはない。推論エンドポイントは自社の開発者にしかアクセスできないという。また開発者がアクセスできるカスタマイズを設定したり、デプロイしたカスタマイズのパフォーマンスを測定したりすることもできるという。

価格と利用可能リージョン

　Amazon QはAWSリージョンに依存せず、世界中の開発者が利用可能だ。Amazon Qは現在米国東部（バージニア北部）でホストされている。Amazon Qの管理者は、他のリージョンでAWS IAM Identity Centerを使用している場合、Amazon Qを認可されたクロスリージョンアプリケーションとして構成できる。

　Amazon Q Developerのカスタマイズ機能は、Amazon Q Developer Professionalサブスクリプション内で追加料金なしで利用だ。AWSアカウントごとに最大8つのカスタマイズを作成し、最大2つのカスタマイズをアクティブに保持できる。