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2024年上半期の世界クラウド/インフラ市場、成長率でデータセンターがクラウドサービスを逆転 何が起きているのか?「NVIDIAが爆発的に成長している」Synergy Research調査

Synergy Research Groupは、クラウドエコシステムの成長に関する新しいレポートを発表した。それによると、クラウドサービスおよびインフラストラクチャ市場における事業者およびベンダーの収益は、2023年上半期と比較して23%増加し、4270億ドルに達した。

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 市場調査会社のSynergy Research Groupは2024年9月24日(米国時間)、クラウドエコシステムの成長に関する新しいレポートを発表した。それによると、クラウドサービスおよびインフラストラクチャ市場における事業者およびベンダーの収益は、2023年上半期と比較して23%増加し、4270億ドルに達した。

 レポートによると、これまでクラウドサービスの成長率はクラウドデータセンターインフラへの支出の成長を大幅に上回っていたが、一時的に逆転したという。

データセンターインフラが急成長、何が起きている?

 上半期において、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)の成長率は平均21%だったが、パブリックおよびプライベートクラウドデータセンターへの支出は平均30%増加した。しかしながら、クラウドサービス市場は依然として、データセンターへの支出の2倍の規模を維持している。ハイパースケール事業者が広範なIT市場をけん引し続ける中、これら事業者のインフラの規模も拡大している。2023年上半期と比較して、既に巨大なデータセンターネットワークの運用キャパシティは24%増加した。さらに、将来のデータセンター建設計画の規模は47%増加しており、投資を加速させ続けている。


クラウドエコシステムの成長(提供:Synergy Research Group)

 SaaSおよびクラウドインフラサービス全体では、Microsoft、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud、Salesforceが市場をけん引している。データセンターのハードウェアとソフトウェアの分野では、ODM(Orignal Design Manufacturer:顧客の仕様に基づく製品を納入するサーバベンダー)が依然として市場の大部分を占めている。Synergy Research Groupによると、これはハイパースケール事業者が契約メーカーから供給されている独自設計のサーバを使用しているためだという。

 ODM以外では、Dell Technoligies、Microsoft、Super Micro Computer、Hewlett Packard Enterprise(HPE)などが市場リーダーとなっている。この分野では、NVIDIAがサーバベンダー、他のテクノロジー企業や一般企業、そしてハイパースケール事業者に直接販売することで、急速に影響力を拡大している。

 Synergy Research Groupの主任アナリストであるジョン・ディンスデール氏は次のように述べている。

 「クラウド市場は、既に強力に成長してきたが、AIがその成長の一部をさらに加速させている。特に、新規および拡張されたハイパースケールデータセンターの展開で顕著に見られる。興味深いのは、AIが業界のサプライサイドの構造をどのように変えているかという点だ。過去10年間、ODMはサーバ市場シェアを奪い続けてきたが、2024年9月現在ではNVIDIAが爆発的に成長している。この成長は主に、ハイパースケール事業者への直接または間接的な販売によって推進されている。上半期、NVIDIAのデータセンタービジネス部門の収益は、DellとHPEのデータセンター事業の収益の合計を大きく上回った」

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