AWS、数百万/秒の書き込みトランザクション対応をうたう「Amazon Aurora PostgreSQL Limitless Database」を提供開始:AWSの東京リージョンでも利用可能に
Amazon Web Servicesは、「Amazon Aurora」の新しい自動水平スケーリング(シャーディング)機能である「Amazon Aurora PostgreSQL Limitless Database」の一般提供を開始した。
Amazon Web Services(AWS)は2024年10月31日(米国時間)、「Amazon Aurora」の新しい自動水平スケーリング(シャーディング)機能である「Amazon Aurora PostgreSQL Limitless Database」を提供開始した。
Amazon Auroraは、「MySQL」および「PostgreSQL」との互換性を持つクラウド型リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)。Amazon Aurora PostgreSQL Limitless Databaseは、PostgreSQL 16.4と互換性がある。
数百万/秒の書き込みトランザクションを処理する仕組みとは
Amazon Aurora PostgreSQL Limitless Databaseにより、アプリケーションロジックをカスタマイズしたり、複数のAuroraデータベースを管理したりすることなく、Aurora上のワークロードを複数のAuroraライターインスタンスに水平分散できるようになる。これにより、単一のAuroraライターインスタンスの書き込みスループットとストレージに関する制限を超えて、ワークロードをスケールできる。
Amazon Auroraクラスタを1秒当たり数百万件の書き込みトランザクションにスケールし、ペタバイト(PB)規模のデータを管理できるこの新機能は、2023年11月に発表された。以下のように、データベース(DB)シャードグループの複数のDBノード(トランザクションルーターまたはシャード)から構成される2層アーキテクチャで実現されている。
各シャードは、Aurora PostgreSQL DBインスタンスで構成され、それぞれのシャードがデータの一部を格納する。具体的には、シャードテーブル、参照テーブルのフルコピー、標準テーブルを格納する。シャードは、同時処理によって高い書き込みスループットを実現する。
トランザクションルーターは、データベースの分散性を管理し、単一のデータベースイメージをデータベースクライアントに提示する。データの格納場所に関するメタデータを管理し、クライアントから入力されたSQLコマンドを解析して、シャードに送信する。さらに、シャードからのデータを集約してクライアントに単一の結果を返し、分散トランザクションを管理して分散データベース全体の一貫性を維持する。
Aurora PostgreSQL Limitless Databaseは、ライターDBインスタンスとリーダーDBインスタンスの代わりにDBシャードグループを持つという点で、標準的なAurora DBクラスタとは異なる。Aurora PostgreSQL Limitless Databaseアーキテクチャを構成する全てのノードは、DBシャードグループに含まれる。DBシャードグループ内の個々のシャードやトランザクションルーターは、AWSアカウントでは見えない。Aurora PostgreSQL Limitless Databaseにアクセスするには、DBクラスタのエンドポイントを使用する必要がある。
DBシャードグループを作成し、シャードテーブルと参照テーブルを作成したら、大量のデータをAurora PostgreSQL Limitless Databaseにロードし、標準的なPostgreSQLクエリを使ってこれらのテーブルのデータをクエリできる。
Amazon Aurora PostgreSQL Limitless Databaseは、米国東部(オハイオ)、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(香港)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(シドニー)、アジアパシフィック(東京)、欧州(フランクフルト)、欧州(アイルランド)、欧州(ストックホルム)の各AWSリージョンで提供されている。
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