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AIデータセンターの電力不足リスクに備えるGartner Insights Pickup(385)

AIや生成AIを運用する新しいハイパースケールデータセンターの急増に伴い、電力需要が拡大し、電力会社の現在の電力供給能力を上回る見通しだ。AIデータセンターの電力不足リスクに備えるにはどうすればよいのだろうか。

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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Insights」などのグローバルコンテンツから、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 AIや生成AIを運用する新しいハイパースケールデータセンターが急増している。これに伴い、電力需要が拡大の一途をたどり、電力会社の現在の電力供給能力を上回る見通しだ。

 Gartnerの予測によると、データセンターは消費電力が今後2年間で160%も増加するため、電力確保が困難となり、電力不足に見舞われる恐れがある。

 Gartnerは、2027年までに既存のAIデータセンターの40%で、電力供給の不安定化により業務に支障が出るとみている。これはAI導入を計画している組織にとって、大きな課題となりそうだ。

 組織のクラウド戦略にも大きな影響が及ぶと予想される。AIによる電力消費の増加に伴い、料金が現在の10〜100倍に上昇するからだ。

 生成AIアプリケーションを支える大規模言語モデル(LLM)は急速に進化しており、これらのトレーニングと実装に必要な膨大なデータを処理するため、大規模データセンターの新設が多数計画されている。

 だが、一部の国はデータセンターの建設を抑止している。欧州では、電力需要が地域の供給を上回るという理由から、データセンターの建設申請が却下されるようになっている。アイルランドやシンガポールのように、電力供給問題からデータセンターの増加を厳しく制限したり、完全に止めたりしている国もある。

 いずれにしても、送電や配電、発電能力を増強する新設備の稼働には数年かかる可能性があり、これらの設備は現在の問題を緩和しない。解決策が出るまで、組織はこのリスクを軽減する準備を今すぐ整える必要がある。

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