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AIへの投資が活発な一方で「プロジェクトの20%が失敗」 その理由は?各業種での用途も調査

デル・テクノロジーズは2025年8月26日、アジア太平洋地域のAI導入動向に関する調査結果を発表した。AIへの支出は右肩上がりで推移している一方で、AIプロジェクトの20%が失敗していることが分かった。

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 デル・テクノロジーズは2025年8月26日、アジア太平洋(APAC)地域のAI(人工知能)導入動向に関する調査結果を発表した。それによると、AI特化型サーバ市場は2025年までに239億ドルに達する見込みで、APAC地域の企業の約8割は生成AI利用に100万〜200万ドルの支出を計画していることが分かった。

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AIプロジェクトの20%が失敗、その理由は?

 AIへの投資が活発な一方で、導入には障壁があるようだ。調査結果によるとAPAC地域では、AIプロジェクトの20%が失敗していた。その主な要因は、「AIガバナンスの不備」(19.3%)、「人材不足」(18.4%)、「過剰なインフラコスト」(16.9%)だった。特に人材に関しては企業の危機感は高いようで、APAC地域の約7割の企業が「AIスキルを有する人材不足を埋めるために、新たな人材には『データとAIの知識』を必須としている」とデル・テクノロジーズは分析している。

 またAPAC地域の企業は、外部パートナーの支援を活用している割合が多いことも分かった。調査結果によると、AIを社内で開発している企業は30%、市販のAIツールを利用している企業は約10%で、残る60%の企業はAIアプリケーションの開発を社外に委託していた。AIプロジェクトの失敗要因と合わせて考えると、APAC地域の企業では、AI導入を進めるための高度な専門知識や開発スキルを持つ人材が不足しており、そのギャップを外部パートナーで補っていることが分かる。

職種ごとのAI導入率はどう違う?

 調査では、業種別のAI導入率についても調べている。デル・テクノロジーズは中でも「銀行と金融サービス」「製造業、エネルギー」「医療、小売り」に注目している。

銀行、金融サービス

 APAC地域では銀行と金融サービスがAIと生成AIの導入をリードしている。既にAIを利用している企業の割合は84%、生成AIを利用している企業は67%だった。主な用途は「不正検知」「マネーロンダリング(資金洗浄)対策」「業務効率の向上」などだった。

製造業、エネルギー

 APAC地域の製造業のうち、AIを導入している企業の割合は78%、生成AIは54%だった。「サプライチェーンの最適化」や「予知保全」「品質管理」に活用している。エネルギー業界では、AI導入率が83%、生成AI導入率が73%。用途は「グリッド(電力網)の最適化」や「予知保全」「エネルギー供給の効率向上」などだ。

医療、小売り

 APAC地域の医療業界でAIを導入している企業の割合は86%、生成AIは59%だった。「診断精度向上」や「予測分析」「患者に合わせてパーソナライズした治療計画の向上」などが主な用途だ。小売り業界では、AIを活用している企業は82%、生成AIは63%。AIエージェントと生成AIエージェントへの投資が増えている。特にAIエージェントは小売りビジネスに不可欠な要素となっており、「顧客に合わせてパーソナライズした提案」や「予測的な在庫管理」「ダイナミックな価格設定戦略の基盤」になどに活用されていた。

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