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ゲーム好きなドイツの少年が、日本でゲーム開発者になった必然Go AbekawaのGo Global! カイさん from ドイツ(前編)(1/2 ページ)

ドイツの歴史ある古都に生まれ、幼い頃からゲームと本に没頭したカイ・エシュマンさん。彼を日本のゲーム業界へと導いた原点と、エンジニアとしての基礎を築いた学びの軌跡に迫る。

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 グローバルに活躍するエンジニアを紹介するインタビュー連載「Go Global」。今回ご登場いただくのは、日本のゲーム会社 コロプラで開発効率化グループの一員として活躍するドイツ出身のゲーム開発者、Kai Eschmann(カイ・エシュマン、以下カイさん)だ。

 前編では、ドイツの古都で過ごした幼少期から、ゲームとプログラミングに目覚め、日本のゲーム業界を目指すに至った彼のルーツと学びの過程をひもとく。異国の地でゲーム開発に挑む彼の原点には、どのような情熱と探求心があったのだろうか。

 聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。

母もゲーマー、息子もゲーマー

 カイさんは1999年、ドイツのトリール市に生まれた。トリールは「多分ドイツで一番古い都市です」とカイさんが語るように、世界遺産でもあるローマ遺跡群、聖ペテロ大聖堂、聖母聖堂、ドイツ最古の大聖堂 トリーア大聖堂教会、西暦2世紀に作られた黒い門ことポルタニグラなど、歴史ある建物が立ち並ぶ、昔の欧州の雰囲気が漂う街並みが特徴の街だ。



 幼少期の自分を、カイさんは「全般的に内向的な子だったと思う」と振り返る。外で遊ぶよりも「家で本を読んだりゲームしたりする方が好き」で、「新しい人に会うときには結構緊張していた」という。サッカーに代表されるスポーツは、学校の授業で経験したものの、学外で進んで楽しむことはなかった。読書とゲームが彼の世界の中心であった。


幼少期のカイさん

 『ロックマン エグゼ』でゲームにはまったカイさんは、「ゲームボーイアドバンス」から始まり、「Wii」「PlayStation 3」「PlayStation 4」、デスクトップPCと、さまざまなゲーム機を所有した。

 特に好きだったゲームは、『プロフェッサーレイトン(レイトン教授)』シリーズや『ポケモン(ポケットモンスター)』のゲームボーイ、ニンテンドーDSシリーズである。特筆すべきは、PlayStation 3の時代からは「母とゲームをやり始めて」おり、母親も自分用のPlayStation 4やWiiを購入するほどのゲーム好きであったことだ。

 一人っ子であるカイさんは、現在、母親に少し罪悪感を覚えているようだ。親子として、またゲーム仲間として20年以上も共に暮らしてきたのに、1人で日本に行く決断をし、現在離れ離れであることが母親を寂しがらせていると感じているのだ。

 「とても長い間母と一緒に暮らしてきたのに、別の国に行こうとすることを少し申し訳なく思いました」と、日本に引っ越すことを決断したときのことを思い出す。現在は住む場所こそ離れているが、オンラインでのコミュニケーションを欠かさないという。

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