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自律型AIエージェントをハイブリッド環境で開発・運用できる「Teradata AgentBuilder」提供開始エージェント実装の課題をどう乗り越えるか

AIエージェントやLLMアプリケーションをローコード開発できる「Flowise」「CrewAI」との連携を実現。

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 Teradataは2025年9月30日、自律型AI(人工知能)エージェントを迅速に開発・運用できる機能群「Teradata AgentBuilder」を提供開始すると発表した。自律型AIエージェントを開発・本番運用できる機能群により、「クラウドとオンプレミスを横断して、安全かつ自律的に動作する複数のエージェントを構築・管理できる」環境が整うという。2025年第4四半期にプライベートプレビュー版を提供開始予定。ハンズオンなどの機会を2025年10月6日〜8日に米国・ロサンゼルスで開催する「Teradata Possible 2025」で提供するという。

 構造化データ、半構造化データ、非構造化データを統合管理しつつ、多様な分析機能を提供する他、ハイブリッド環境にも対応する「Teradata Vantage」と、AIエージェントやLLM(大規模言語モデル)アプリケーションをローコード開発できる「Flowise」「CrewAI」などのオープンソースフレームワークとの連携を実現。また、ビジネスへのAIエージェント実装を支援するタスク駆動型テンプレート群「Teradata Agents」もTeradata AgentBuilderの機能として提供。これにより「マルチエージェントシステムの設計、実装、管理を加速させる」という。

ビジネス目標、ガバナンス基準、専門知識と整合したエージェント構築を支援

 特徴は大きく3つ。 1つは「コンテキスト統合とドメイン知識の埋め込み」。Teradata Vantage上の統合データプラットフォームと、MCP(Model Context Protocol)サーバを活用することで、「業務ルールやドメイン専門知識をエージェントのワークフローに直接組み込める」という。

 2つ目は「オープンソースフレームワーク連携」。前述したFlowiseやCrewAI向けのコネクターを標準提供し、ワークフロー制御、メモリ管理、推論、エージェント間協調など、自律システム開発に不可欠なコンポーネントを構築するための、モジュール化されたビルディングブロックを提供する。「LangChain」「LangGraph」にも対応予定だという。

 3つ目は「タスク特化型Teradata Agents」。高付加価値ユースケース向けに設計されたエージェントテンプレートを提供。これらのエージェントは「継続的に学習・適応し、説明可能かつビジネスに整合した成果を自律的に提供する」という。具体的には以下の3つをそろえる。

  • Teradata SQL Agent
    技術エージェントが自然言語で表現された質問や要求を、Teradataデータウェアハウステーブルに対して実行可能なSQLクエリに変換する。スキーマやテーブル定義の発見、クエリ文の検出・修正・最適化ができる
  • Teradata Data Science Agent
    自然言語リクエストから実行可能な機械学習パイプラインを生成する技術エージェント。ML(機械学習)ワークフローの各ステップにおける多段階推論、文脈理解、アクション実行を支援し、レポートやインサイトを生成する
  • Teradata Monitoring Agent
    Teradataデータベース、サーバ、サブシステムを継続的に監視・管理する自動化ツール。リアルタイムテレメトリーとシステムインサイトを活用することで、システムの健全性をプロアクティブに維持。異常がビジネスに影響を及ぼす前に検出するなど、ビジネスのパフォーマンス最適化を支援する

 同社では「オープンソースフレームワークの柔軟性と、TeradataのAIナレッジプラットフォーム、企業データへの深いアクセスを実現するMCPサーバを組み合わせることで、ビジネス目標、ガバナンス基準、専門知識と整合したインテリジェントエージェントの構築を支援する」としている。

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