新人エンジニア育成で「技術スキル研修には満足」、だが「ソフトスキルが足りない」:リアセックが863人を対象に実態調査
リアセックは、「新卒エンジニア育成」に関する調査結果を発表した。初期研修への満足度は高い一方、配属後のソフトスキル不足に9割超が課題を感じており、人事による現場支援が求められている実態が明らかとなった。
キャリア教育や人材開発支援を提供するリアセックは2026年1月19日、「新卒エンジニア育成」に関する調査結果を発表した。IT企業で新卒エンジニアの育成を担当している人事担当者および現場マネジャー863人を対象に、エンジニア育成の実態を調査したものだ。
新卒エンジニア向けの初期研修については技術スキルの習得が中心となっており、その内容について一定の満足度がある一方で、現場配属後は「ソフトスキル(主体性・論理性・協調性など)」の不足が課題に挙がる実態が浮き彫りとなった。
「技術スキル中心の初期研修」には約9割が満足だが……
同調査は2025年11月4日から11月6日にかけてインターネット上で実施。回答者の内訳は人事担当者が252人、現場マネジャーが611人。
現在実施している初期研修の内容について尋ねたところ、人事担当者の52.4%、現場マネジャーの54.7%が「技術スキル中心の集合型研修」と回答し、いずれも最多となった。次いで「ビジネスマナーなどの基礎研修」(人事49.6%、現場49.6%)、「ソフトスキル重視の研修」(人事38.5%、現場35.5%)と続き、初期段階では技術スキルと基本マナーの習得が重視されていることがうかがえる。
研修プログラムへの評価については、「非常に満足している」(26.8%)と「まあ満足している」(57.1%)を合わせると8割以上が内容に満足していることが分かった。実務での有用性に関しても「とても役立っている」(29.6%)、「ある程度役立っている」(59.9%)の合計が約9割を占め、大多数が現在の研修内容に対して一定の評価を下していることが明らかとなった。
重視するのは「チームで協力する力」、一方で4割が「不足」と回答
育成において具体的にどのスキルを重視しているかを尋ねたところ、人事担当者、現場マネジャー共に「チームで協力する力」(人事44.8%、現場48.1%)が最も多くの回答を集めた。これに「周囲をまとめ導く力」(人事35.3%、現場31.9%)などが続き、組織で成果を出すための協働性が重視されていることがうかがえる。
しかし、若手エンジニア育成における課題についての設問では、人事担当者の44.1%、現場マネジャーの40.3%が「ソフトスキル(主体性・論理性・協調性など)が不足している」と回答し、最も多い課題として挙げられた。次いで「OJT(On-the-Job Training)体制にばらつきがある」(人事31.8%、現場31.3%)、「成果を測定・可視化する仕組みがない」(人事29.8%、現場26.5%)と続いている。
実際に、配属後の新卒エンジニアについてソフトスキルに課題を感じたことがあるかを尋ねたところ、「よくある」(30.8%)と「時々ある」(61.0%)を合わせて約9割に達した。初期研修の満足度は高いものの、現場配属後には主体性やコミュニケーション力といった面で物足りなさを感じる場面が多い実態が浮き彫りとなっている。
現場任せにしない人事の支援体制とツール活用へ
新卒エンジニアのソフトスキルの測定・育成をどの程度重視すべきかという問いに対しては、「非常に重視すべき」(29.6%)と「ある程度重視すべき」(61.2%)を合わせて約9割を占めた。また、人事が現場でのスキル育成を支援する体制の必要性についても、約9割が「必要だと思う」と回答している。
さらに、個人のスキルを測定しパーソナライズする「現場主導」の研修設計が可能なツールについては、約9割が導入を検討したいと回答した。
リアセックは今回の調査結果を受け、ソフトスキルは知識として学ぶだけでなく「実践し続けること」が不可欠であると指摘している。その上で、日常の業務そのものを実践と成長の場として活用し、人事と現場が連携しながら継続的な育成を実現していくことが重要だとしている。
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